3Dプリンタ元年…
先月末のWebニュースで、“日本は「3Dプリンタ王国」を築けるか”という記事を読んだ。2013年は「3Dプリンタ元年」だそうだが、これは、1980年に日本の小玉秀男氏が特許出願したものなのだとか。私が2006年に担当した『ものづくり革命』という本に、3Dプリンタの可能性についてあれこれ書かれていたけれど、それを遡ること26年も前に、国内にそんなアイディアがあったわけだ…。本書の出版当時は、まだまだ高価な代物で、到底“パーソナル・ファブリケーション”には程遠い印象だったけれど…。今年のブームは、オバマ大統領の一般教書演説がきっかけだそうだが、ここまで安価でパーソナルなものになるまでに33年かかったことになる。一般の人に手が届くレベルになる前に、小玉氏の出願は効力がなくなってしまったらしきことを考えると、“実用化・具体化”の努力というのは、“発明”と同等に大切だということを痛感させられる。とはいえ、時代に先んじすぎた発明家への敬意も、忘れないようにしたいものだな。
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