『ロスト・シンボル』
(Kindleで)3冊組の『ロスト・シンボル』を先日(12/3)読了。途中、読めない時期もあったため、3週間くらいかかってしまったが、実質一週間くらいかな? ダン・ブラウン氏の本は『ダ・ヴィンチ・コード』以来。
これが映画になったら、「ダ・ヴィンチ・コード」と同じくらいのハラハラドキドキのスリルとサスペンスが味わえるだろう…と思いながら読んだ。ただ、読書としてはそれほど“感動”するという感じではなかったな。。。
いくつか、引っ掛かったことだけメモしておこう。
1.しょっぱなの方で、日本で数年前に話題になっていた『水からの伝言』の話がまことしやかに書かれていて焦った。善意を浴びせ続けながら水を凍らせるとキレイな結晶になり、悪意を浴びせ続けながら水を凍らせると汚い結晶になる…とかいうアレだ(苦笑)。菊池誠さんが飛び出してきそうなほどそれらしく書かれており、疑似科学撲滅運動家の方々がどういう反応をしているのか気になった。
2.「魂には重さがある」という話。1つの魂では軽すぎても、たくさんの魂が寄り集まれば、物質世界に影響を与えうる、という、純粋知性科学とかいう分野の実験の話。アメリカではホントにこんな実験も行われているんだろーか?
3.「完全液体呼吸(TLV)」の話。まるでエヴァンゲリヲンのL.C.Lのごとき、酸素が多く含まれる液体中での瞑想の話。研究されててもおかしくない気はするものの、現実にどのあたりまで進んでいるのか??
4.最近話題のソニーの“スマート・ウィッグ”のような、バッテリー内蔵の“かつら”の話。本書の刊行と、ソニーの出願と、どっちが先だったのか気になるところ(笑)。
いい意味で印象深かったのは、世界的なロングセラーの“聖書”についての記述。出版人は通常、できるだけ一般の人に“わかりやすく”と心がけながら書籍を編むものだけれど、聖書というのは、これだけ長く人々に愛読されながらも、世界で最も“正確に理解されていない”書物である、ということ。謎や隠喩が数多く秘められているからこそ、これだけのロングセラーになっているのかもと思うと、“わかりやすくて共感されやすい本”ばかりがミリオンセラーになるわけじゃないんだな…と妙に納得。
また、ここ数年、“アメリカ建国の父”と呼ばれる人たちに興味津々な私なのだけれど、本書を読んで、ますます、トマス・ジェファーソンと、ベンジャミン・フランクリンのきちんとした伝記を読んでみたい衝動に駆られた。そして、ワシントンD.Cをゆっくりと散策したい気持ちにもさせられたのだった。
昨晩のNHKスペシャルは「宇宙生中継 彗星爆発 太陽系の謎」だったけれど、私にとっては今回のアイソン彗星や激動の宇宙の方がよほど古の神秘に感じられてしまうなぁ~!
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