集合研修第2回
先日、集合研修第2回を受講しました。事前の提出起案が基準を満たさなかったということで、再提出指示をいただきました(汗)。
それにしても、研修の先生方は大変だなぁ…とつくづく思います。なにせ、生徒のスキルの幅が広すぎて、どこをターゲットに講義すべきかの判断がとても難しそうに思えるからです。私のように、まるきり異分野から参入したゼロベースの人間もいれば、すでに何年も明細書を書いておられる百戦錬磨の方もいるし、明細書は書かないまでも、発明者として代理人を通して何件もの特許をもっている人もいて、中には審査官の方もいたりするのですから!――
今回は「明細書のあり方」について。電気・化学・機械の分野別に分かれての講義のため、同じグループの中に何かしら仕事で関係のある人がいたりして、「世間が狭いね~!」と奇遇の数々に驚きました。
今回も、肝心なのは的確な上位概念化ができているかがポイントになっていたようですが、前回と異なり、講師陣の考える模範クレームを示していただけたり、生徒の起案に赤入れしたものをプロジェクターで映して解説してくださったりして、ゼロベースの人間にはとてもありがたかったです。
講師の先生が、明細書作成のプロセスを、小説の執筆になぞらえて説明してくださったのが印象深かったです。編集者と弁理士の仕事って、なんだか似ているんじゃなかろうか…?とかねがね思っていましたが、聞けば聞くほど、「発明者=著者、代理人=編集者、特許庁=出版社、利用者=読者」に思えるのです。いろんなプロセスが、書籍の刊行プロセスとシンクロしている感覚は、新参者の気をちょっとだけ楽にさせてくれます。そして、本の企画でも、肝心要なのは著者との打ち合わせだったのと同じく、明細書作成においても、発明者との打ち合わせやインタビューの仕方次第で、その後の仕事の出来が、ずいぶん変わってくるような印象でした。先入観にとらわれることを防止するため、まずは“「聞く」姿勢に徹する”、というのも一緒だし、場合によっては様々な提案やアドバイスをするのも一緒。発明者の意図を的確に把握するために、できる限り勉強しなければならないのも一緒ですね(苦笑)。
難しいな、と感じたのは、グループ討論によってクレーム作成する作業。自分ひとりの中でさえ、「あーでもない、こーでもない」と意識がグルグルするのに、そんな取り留めない6人分の考察をまとめて一つにしなければならない大変さ。とはいっても、第1回第2回とも、皆の気遣いで、着地点をなんとか見つけることができ、その気遣いにも勉強させられます。いやはや、学ぶべきことは尽きないです。
(この日のニューワード:オムニバス・クレーム=構成要素同士の関連性が不明確なクレーム)
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