「そして父になる」
カンヌ映画祭で審査員特別賞を受賞した映画「そして父になる」――、先の日曜日の午後にようやく観ることができました。真面目な内容なので、感想も真面目に。。。
予告を見てからというもの、ずーっと、「自分ならどうするんだろう…?」と考え続けていたので、一つの決着の形を見て、やっと楽になった気分です。また、非配偶者間人工授精によるお子さんや、ジョブス氏のことなどもつらつらと考えたり…。
いろんな家族の形があり、いろんな親子の形があり、愛情にもいろんな形があって、どれがいいとか悪いとかの判断も人それぞれで、正解なんてものがない、人生と一緒の難しいミッションだったと思います。
人もうらやむエリートサラリーマンが、子どもの取り違え事件をきっかけに、自分のこと・仕事のこと・家族のこと・人との関係性…いろんなことを考え直す様が、淡々と描かれていました。現実にこういうことが起きたときも、きっともどかしいだろうと思われたのは、子どもたちの心の内がわからないこと。。。大人が考えそうなことは、なんとなくいくつかのパターンで想像できるのに、子どもたちはこの状況について、どう考えているのかが、わからないのです。そりゃあまぁ、寂しいとか哀しいとかも感じているだろうけれど、はっきりと捉えがたい。。。子どもって、大人が思っているより遥かにいろんなことをきちんと考えて感じていると思うし、忍耐力や物分かりの良さも、時に大人を凌駕していると思うからです。言い争う大人を見て、「ボクがいるからいけないのかな…?」とか、「ボクのせいでお父さんとお母さんが悲しいんじゃないか…?」とか、そういう自傷的な想いすら抱いているかもしれないのに、大人は大人の都合で良かれと思うように行動してしまう。。。
私は、必ずしも子どもとの時間を仕事より優先させる人がいい親だと、単純には思いませんが、ゼロ歳から15,6歳くらいの子どもの心ほど大切にしなければいけないものは、他にないと思っています。そんなかけがえのないものを大切に思う気持ちが、人を父にし、母にし、大人にするのかもしれないとすら思います(子どもが欲しくても授からない人が読んでいたらスミマセン)。結婚していない人でも、子どもの心を慮る経験をした人は、ちょっぴり経験値が高いんじゃないかしらん…?(良し悪しの問題ではなく…)。
映画って、そういう経験値を高めてくれるものだと思いますが、この映画は特に、その要素が強かったように感じます。是枝監督はじめ、スタッフ&キャストの皆さん、どうもありがとうございました♪
(是枝監督といえば…これが気になります~!)
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