「いちえふ」
夫が新聞の書評を読んで買った『いちえふ』というコミックスを読みました。事故後の福島第一原子力発電所内で働いた経験に基づいて描かれたルポ・マンガです。
絵柄のテイストがなんとなく中沢啓治さんチックで、「いちえふ」内部の仕事を淡々と見せてくれ、世の中のいたるところで、人知れず“汚れ仕事”を引き受けてくれている人のたくましさに頭が下がる思いでした。一方、二次・三次…六次下請けなんていう構造が放置されていては、実働せずに中抜きで旨味を得る人が後を絶たず、弊害が膨らむ気がして、腹立たしくもありました。
本書内に、「年間の被曝限度は法律で決まっていて、1年で50mSv、5年では100mSv」という記述があったほか、「作業員の1日の計画被曝線量は1.8mSv」とあったのだけれど、単純計算すると、高線量区域での1作業員は年間27日くらいしか働けない勘定になり、不思議な気がしました(単純に累計で考えるわけではないのでしょうか?)。
いずれにせよ、遠い(近い?)将来の作業員不足問題は、相当深刻な気がした読後なのでした。
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