青色LED週報#38
今週は、なんといってもコレ、「ノーベル物理学賞、青色LED関連に!」――。
知財業界の方々には、パッと職務発明制度のことが頭をよぎったであろうニュースでした。私にとってのインパクトは、“基礎研究”と“実用化”を双方評価したノーベル賞選考委員会の姿勢。
3Dプリンターの原理を日本人が発想したにもかかわらず、正当に評価する人や実用化に尽力する人がいなかったために時機を逸し、米国人が実用化した構図について考えあぐねていたところだったので、“研究者魂”と“ベンチャースピリット”のゴールの設定の仕方や情熱の配分の違いに興味が湧きます。
受賞者3名に共通するのは、“賭けたいものを見つけて”、“それだけに注力し続けた”ことだと思いますが、目標設定のマインドには結構違いがあったんじゃなかろうかと思えます。
とかく基礎研究に携わる研究者の方々は、「直接には世の中の役に立たなくても、真理の探究に意味がある」と考える傾向があると思いますが、ベンチャースピリット旺盛な人は、「いかに世に出し、開発費を回収して、次のアクションをやりやすくするか」と考える。そして両極では、「研究でお金を稼ごうなんて動機が不純」とか、「経済的配慮なしに好きなことだけやっているのは無責任」などというぼんやりした価値観の違いがグラデーションのごとく存在して、身の置き場に迷う人もいるような気がします。
私自身は、昔は“真理の探究”寄りで、金銭的なことに頓着するのは俗物!と考える傾向がありましたが、長年企業にご奉公しているうちに、“自分が経営者だったら…”という視点が生まれ、団体で活動する以上、経済的なことを考えないわけにはいかないと思うようになりました。
結局のところ、身を置いた場所で最善を尽くした人が、その場所で何らかの成果を出し、それらがつながって相補的に大きな成果になっている…そう考えると、人類ってスゴイな!と、単純に感動してしまうのでした(笑)。
受賞者の皆さんの情熱に敬意を表しつつ、それを陰日向に支え続けた周囲の方々に対しても、“おめでとう!”の気持ちでいっぱいです。授賞式のスピーチが楽しみです!! おめでとうございます~♪
【Good News】 昨日事務所内でノーベル賞話になった際、なんと、私の事務仕事の師匠的女性が、受賞者のうちのお一方の娘さんとご友人であることが発覚! 高邁な賞が、なんだか急に身近に感じられた嬉しいニュースでした♪
【Bad News】 嬉しいニュースとは裏腹に、今週は特許情報管理に係る某社のことで、周囲が騒然としていました。今後どうなるのか、ひやひやとしながら静観しています。
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コメント
Sorcerer01さま、コメントありがとうございます。
集中講義でも構わないので、そういう機会に触れられれば、別の価値観も受容した上で研究に没頭できるようになるかもですね。
【Bad News】の方は、やっと使いこなせるようになった矢先なので、どこかが引き継いでくれることを願っています(苦笑)。うちはリース契約はしていなかったようですが、ちょっとおかしな経理処理をしていたみたいですね~(汗)。
投稿: Taraco | 2014年10月12日 (日) 16時30分
研究開発者がクラウドファンディング等の資金調達法や、製品化のマネタイズについて知識を得る機会がもっと増えるようになれば、それらを他人に依頼して資金を得つつ、研究開発に没頭できるようになるのかな、と素人考えながら思います。
【Bad News】については、うちの事務所では使っていなかったのですが、会員全員に連絡がきているようで、私も気になっています…。
投稿: Sorcerer01 | 2014年10月12日 (日) 15時04分