『エキゾティックな量子』
先々週は、またまた夫が知人に紹介された本を、夫より先に読みました。『エキゾティックな量子』――。科学史的な概観とともに、できるだけ数式を使わずに量子論のイロハを解説してくれていました。それにしても、“粒子であり波でもある”とか“相補的”という言葉の、なんと非日常的なことか。。。なかなか普通にはイメージできません。
以下、印象深かった箇所をメモメモ。
□ 4章「量子の堪え難い不確かさ」では、ハイゼンベルクの不確定性関係の解説の後、なんと小澤正直氏という日本人が、これを発展させた話! 「認識論的不確定性」に加え、「存在論的不確定性」を加えた不等式が紹介されていました。知らなかった~! (ハイゼンベルクは、イラストでなく、写真で紹介して欲しかったな~苦笑)
□ 6章「二状態量子力学の魔法部屋」のたとえは、すごくGoodでした!
□ 9章「量子の魔法部屋の用途」の最後の部分で、著者が、グローヴァー検索の論文を読んで感銘を受けた直後、大学構内で、そのグローヴァー氏の指導教官だったプラモード・バート博士と廊下でバッタリ会うという、ものすごいシンクロニシティにびっくり!
□ 16章「三目並べを量子的にする」では、著者が実際にこのアプリで遊んだ際の感想が書かれていたのですが、その文章が秀逸!
□ 18章「ディラックの海」では、かねてから“もっと知りたい”と思っているディラックの逸話がいろいろ紹介されていましたが、どこかに彼の映像が残っていたら、観てみたいなぁ~とつくづく思いました
□ 21章「量子カオスの夢」以降は、聴覚・嗅覚・絶対磁感等、生命活動の量子論についていろいろ面白い最新状況の紹介。印象的でした。
個人的には、大学卒業後は古典力学の世界をエンジョイすると割り切り、今風に言うなら「“ありのまま”は今でしょ?!」的な哲学(なんじゃそりゃ)をもって、“観測する”ということについて考えるのを止めてしまいましたが、「忘れさせないぞぉぉ」と言われているような読後感でした~(汗)。
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