Patent vol.67 10月号
何かと慌ただしくて読めずにいた『パテント10月号』の一記事を、やっと読めました。タイトルは「2014年改正著作権法と電子出版ビジネスの動向」。紙の書籍に関する出版権に加え、電子出版についても出版者に出版権が設定できるようになるのも、もう間もなく。いろいろな出版者が、目下、出版契約書のフォーマットを作り変えているのでしょうか…。
とてもタイムリーで興味深い記事でしたので、覚えておきたい言葉や事々をメモメモ。
・従来の出版権を「1号出版権」、電子出版に係る出版権を「2号出版権」と呼ぶ
・2号出版権の設定には、「企画・編集を行うこと」が要件となっていない
・電子出版権者の「フリーライド」や「クリームスキミング」が懸念される
・2015年1月1日より前の出版権は、電子出版には及ばない(経過措置)
・公正取引委員会によると、電子書籍には「再販売価格制度」は適用なしとの見解
・Amazonの値引は、委託による出版社主導のものと、Amazon自身によるものがある
・Appleの価格拘束問題(MFN条項)の結末に係る公聴会が近日開かれる
・Amazon Studentプログラムの再販契約違反問題の結末は?!
・電子書籍への消費税課税にまつわる内外判定問題対策への法改正は2015年?
・Kindle Unlimitedの日本上陸はある??
・ソニーのReaderStoreやローソンのエルパカBOOKSユーザーは、楽天Koboが吸収
・プラットフォーム支配者が脅かす出版社の主導権や多様性
最終段で書かれていた、出版社の意義を問うような未来像は、私もずっと気になっているところ。出版者が、著作者からも読者からもより信頼を寄せてもらえるような努力を続けないと、遠くない未来に、プラットフォームと著作者の直接契約が現実になるかもしれません(…というか、自費出版では既にその手の契約多数…)。
同号の「音楽コンテンツのライセンス実務」も読みたいんですが、時間がない…(汗)。
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