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2014年12月27日 (土)

身近なアイディア#2

 “身近なアイディア”第2回は、「マルちゃん正麺」。サンヨーと日清との訴訟騒ぎは置いておいて、我が家に袋麺文化を持ち込んだ役所さん一押し(?)の「マルちゃん正麺」の特許公報(第5153964号)を読んでみました。
 生まれてから十数年間、インスタントラーメンを食べたがらなかった息子が、なぜか「マルちゃん正麺」だけは受け入れて、徐々に他の袋麺も試してみようという気になってきたのは、やはり起爆剤たる生麺タイプの口当たりと喉越しにあるのだろうと思います。どんな製法でこれを可能にしたのか…、発明の名称は「乾麺およびその製造方法」ーー。
 キーワードは、“糊化度と多孔質構造”でした。原料には自由度を持たせつつ、発泡化と乾燥という工程について、その温度や時間や送風の風速を調整することで、麺の断面積中の孔の面積量(空隙率)と単位面積当たりの孔の面積量(単位空隙率)を一定範囲にし、従来の乾麺よりも圧倒的に均一な空隙の散らばりを実現することで、ぬめりや麺割れを抑えてモチモチ感のある麺が茹で上がるようにしているとのこと。空隙が小さく均一だと、どうしてモチっとするのかはよくわからなかったのですが、茹で時間が短く、復元性と弾性に優れた麺の影には、多孔質構造の追求があったのですねー。
 食べ物に関する公報を初めて読んだので驚きでしたが、たくさんの実施例に加え、パラメータをいろいろ変化させた場合や、市販の他社製品との比較も行われていて、その試験結果も相当量掲載されていました。そして、図版は意外にもシンプルなものがたったの3つ。総ページ21頁でした。
 夫は、同じ生麺タイプでも「日清ラ王」の方がコッテリしていて好きだと言い、私は、「ラ王」もおいしいけど、太りそうなので「マルちゃん正麺」贔屓(笑)。業界のライバル同士で切磋琢磨してくれることは、消費者にとっては歓迎ですが、当事者の皆さんは大変ですよね。
 公報の中に、「器に乾麺と水を入れて、電子レンジで調理してもいい」旨が記載されていて、今までそんなことをしたことがなかったもので、そのうち試してみようかな?と思っています(笑)。

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