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2015年1月24日 (土)

身近なアイディア#5

 一昨年の暮れ頃だったか、朝のNHKニュースで、「高校生が害虫駆除のためのテントウムシの定着ノウハウを発明」と紹介していたのを覚えています。さらに、去年は「サイエンス・ゼロ」という番組でも、その高校生たちの取り組みが取り上げられていました。この他にも、かなりあちこちで露出されていた気がしますがーーー。
 ニュースでは、「近々特許取得予定」と言っていたので、へ~と思っていましたが、、、特許公報5638711号によれば、2014/01/16に出願されたこの発明、なんと47件もの新規性喪失の例外適用を受けて、2014/10/31には登録されています! 【発明の名称】は「昆虫、昆虫を用いた生物的防除資材、昆虫処理方法、及び昆虫処理装置」です。
 ホットメルト接着剤で羽を固定し、飛べないようにすることで、一定の範囲にテントウムシを居すわらせるという、なんともシンプルな発明です。一時は、動物愛護的観点からの逆風もあったようですが、接着剤は一定期間後にはがれて飛べるようになるらしいです。請求項がまた面白く、飛べなくなった昆虫それ自体や、それらを利用した害虫駆除資材としての物、そしてホットメルト接着剤を容易に注入するために昆虫を固定するための方法まで、全6項。
 「サイエンス・ゼロ」では、似たような害虫駆除のための生物農薬の開発に取り組む研究所や大学の専門家も紹介されていたのですが、それらは飛距離の短い虫の交配を繰り返して飛べないテントウムシを作り出していたり、RNA干渉という手法でテントウムシを飛べなくしていたりと、かなりハイテク感満載だったのに対し、この高校生たちのローテクぶりは笑ってしまうほどシンプル。それでも、視聴後の私は、「高校生たちの発明が、一番ナチュラルでいい感じ♪」と感動してしまったのでした(笑)。一匹一匹に接着剤を付着する手間を考えると非効率ではありますが、開発費用は破格の安さではないでしょうか(笑)。
 莫大な費用と最先端の科学に裏打ちされた研究で、スゴイことが実現できるのも魅力ではありますが、身の丈の範囲で、それに匹敵することを実現できるのもまた面白いことです。

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