「かぐや姫の物語」
金曜ロードショーで高畑監督の「かぐや姫の物語」を観ました。
感じ方は人それぞれだと思いますが、私がストレートに感じたのは、「あなたは、苦しみや辛さや悩みのないユートピアで生きるのと、時に退廃的で不条理で、とかく心をざわめかさざるをえないこの世で生きるのと、どっちがいい?」というメッセージ。
ちょっと、小さい子が楽しむのは難しいでしょうが、息子は、自分の知る「かぐや姫」の物語を映像でなぞりながら、興味深そうにしていました。最後の方で、捨丸が「一緒に逃げよう!」と言って空を滑空するシーンでは、「夢に出てきそうだね」と言いながら家族で見入っていましたが、その捨丸には予期したとおり妻も子もあったのがハッキリしたところで、皆唖然。これもまた現世と人の心の掴みどころのなさ故か…?
アニメーションという観点では、あの毛筆調のラフな線で、流れてつながって見せるには、相当なご苦労があったろうなぁ…ということ。尺が長いだけでも大変なのに、徹頭徹尾あれを貫いたのは、スゴイことなんだと思います。個人的には、アレで“鳥獣戯画”を作ってほしかったなぁ~と勝手な妄想をしていました(苦笑)。
終始淡い色調だった物語の最後に、月に帰るかぐや姫が、記憶を失くしつつも哀愁が込み上げて振り向いた先に、真っ青な地球が見えたのが印象的でした。
高畑監督、お疲れ様でしたー&ありがとうございました!
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