グローバル・ドシエ
『Patent』の1月号も、後半のライセンシング・ビジネスの講演会概要を面白く拝読しましたが、「特許制度の国際的調和に関する動向について」という記事の中の、“グローバル・ドシエ”という用語を見て、ビビッドに反応してしまいました。
ドシエとは、フランス語のdossierで、一件書類(いわゆる包袋)のことで、英語ではbundle of papers。グローバル・ドシエとは、五大特許庁+WIPOが進めている、各庁の特許システムを連携させることにより仮想的な共通システムを構築し、一元的なサービスを提供する構想のことのようです。
書誌情報だけなら、espacenetがだいぶ便利な気がしますが、審査に関するワークシェアリングによる効率化という観点で、重要な取り組みなんですね。いつだったか、「どうやってこんな引例を見つけてくるんだろ?」と思うような、他国の引例列挙があったりしましたが、もしかして、旧ドシエアクセスシステムなるものの効果だったのでしょうか…?
また、クロスファイリング(一回の手続きで複数国へ出願するイメージ)については、以前噂で聞いた、「他国代理人制度との将来的な地ならしの可能性」を思い出しました。
なんとなく、各国分断的な印象のニュースばかりで悲観的になる日々が続く中、統合と協調に向かう動きを垣間見て、ちょっぴりスッキリしたのでした。
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