« 硝子体手術 | トップページ | 2015年度振り返り »

2016年3月30日 (水)

『 I o T とは何か』

20160329  夫婦揃って坂村健さんのファンということもあり、新しくなったヨドバシ・アキバ内の書店で見掛けた、『 I o T とは何か』を一気読みしました。昨今はやりの“I o T”が、ユビキタスとどう違うのか?と思って手に取りましたが、どちらかと言うと、ユビキタスを提唱して30年にわたって活動を続けてこられた著者が、世の中を動かすために“もうひと押し”した感の一冊でした。
 現状の著者の思いは、“おわりに”にほぼ集約されているような印象でしたが、以下、備忘録。
・p.36 「研究段階が終わり社会への出口を見つける段階になると、技術以外の様相が問題になる。そのとき、オープンな情報システム構築に不得手なギャランティ志向であることが、日本のI o Tにとって大きな足かせとなる。」
・都内の電柱や道路基準点等で、ucodeを探してみよう
Live map of London Underground trains のようなものを生むための行政関係データのAPI公開は?
・p.154「プログラミング早期一般教育化はわたしも政府に提言しているが、日本では学習指導要領の書き換えが必要で今決断しても実施は7年後という。」
・p.174 「米国で何かをやると多くの場合、最初は失敗する。失敗するが、その失敗体験を分析し、次の新しいステージに上がる挑戦を何度も繰り返し、最後は成功をつかむというのが米国の王道パターンだ。…それに対して日本の場合は、最初からは失敗しない。…ところが、成功してしまった組織はそれについていけない。テクノロジーの変化にはついていけるかもしれないが、最適化して既得権益の塊になった社会的なクローズドシステムが残り、変化に対抗する。」
p.180 「ネットワーク社会の進展により、オープン、ベストエフォート、マッシュアップなどの考え方が、イノベーションの速度を加速する原動力であることがはっきりしてきた。…これは「クローズ」「緻密」「すりあわせ」「自己完結」「ギャランティ」を尊ぶ日本のビジネスが今まで向いていた方向と正反対な志向だ。」
・“アグリゲート・コンピューティング”
・p.232 「日本は大陸法である。大陸法はできる限り法律で決めるのが基本で、法律に「やっていいこと」を書き、書かれていないことは基本やってはいけない。これを「ポジティブリスト」方式と呼ぶ。米国の英米法は逆で法律は最小限。法律に書かれているのは「やってはいけない」最小限のことで、これを「ネガティブリスト」方式と呼ぶ。そして決めていないことで問題が発生した時点で、裁判により事後判断しそれが以後の判例法になる。」
――― 読みながら、「著作権管理の方向性の検討と、I o Tの社会的実現の検討と、なんかすごく似てる気がする…」と思いました。まぁどちらも、インターネットとI Tの発達が契機となっているんだから、当然かぁ。。。

|

« 硝子体手術 | トップページ | 2015年度振り返り »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 硝子体手術 | トップページ | 2015年度振り返り »