開けばいいってもんじゃない…
昨今は、新聞の文字も大きくなり、教科書はオールカラー、出版社でも“読みやすさ”重視で、わかりにくい言葉は易しく言い換えて、漢字は極力開く(ひらがなにする)方向で校正されることが多いです。私にもそんな感覚がすっかり身についてしまっていたのですが…。
今、ビール本の仕事でお世話になっている方が、ちょっと古めかしい表現をする方で、下記のような漢字や文章がそこここに散りばめられています。
濛々と、揺蕩い、吟味玩読し、途轍もなく、頽廃しきった、大法螺、杜撰、浩瀚、洗滌、厖大、逸る、
汗牛充棟の書にも匹敵しうる、牽強附会との謗りを免れえまい、詮衡、敷衍、
石部金吉とでも評したくなる、賞翫の対象、誤謬の産物、邂逅を賞翫する、彌縫策以外の何物でも、
etc,etc…
当初、「これらの漢字は開きませんか?」、「この文章はもうちょっとわかりやすい言い回しに変えませんか?」等、修正を促していたのですが、何度も読んでいるうちに、「ルビで対応すればいいかなぁ?」、「たまには辞書を引いてもらうのもアリかなぁ?」と、心が揺れてきました。
世間の方々が、難しい漢字が多い本、辞書を引かないと意味を取りづらい本、を敬遠しがちだからこそ、現在のような風潮になっているのだとは思うのですが、なんでも“とっつきやすくすればいい”ってもんでもないかなぁ~?と、悩んでしまいます。
【※】 特定農林水産物等の地理的表示の保護対象からは、酒類が外れており、「地ビール」は酒団法でも保護されない。。。(ビールの歴史には、発明品や商標のお話しが盛りだくさん!)
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