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2016年8月 6日 (土)

LIMEX

 先日、第500回目を迎えたという「カンブリア宮殿」をたまたま観ました。楽しみに見守っている“SPIBER”の関山さんが出ていたからなのですが、もう一人のゲストであるTBMの山崎さんという方のことは、恥ずかしながら存じ上げませんでした。
 大量の木と水を消費する紙作りから、石灰石とポリオレフィン樹脂からなる“LIMEX”という新素材による紙作りへと素材革命を起こそうとしているのだとか! 1tの紙を作るのに、木を20本(直径14m×高さ8m)と水を100t使うのに対し、“LIMEX”なら、石灰石0.8tとポリオレフィン樹脂0.2tで済む、ということでした。
 ポリオレフィン樹脂0.2tを獲得するための原油量と、それができるまでの古生物量や年月を考えると、単純に比較できないような気はしましたが、「石」と「石の油」を使って、薄くて丈夫な紙風のモノが作れる、という所に面白みを感じました。また、木も水も、今現在生きている生物にとって貴重なのに対し、石は即必要なものではないという点も魅力。
 「フィラーとして石灰石を混ぜ込んだプラスチック」と言ってしまうのは乱暴なのかな?と思い、特許情報を調べたところ、
特願2014-094800・特願2012-109896・特許5461614という3つの案件があり、混合比と成形の仕方が肝であり、混ぜること自体はこれまでも別のものでいろいろな取り組みがされていたのかもしれません(推測の域を出ませんので悪しからず)。石灰石と糊だけでできたら、もっとスゴイのになぁ~! 
 あと
、“LIMEX”の商標登録も確認できました(登録第5674584)。いずれにせよ、すでに実用段階で、様々なビジネスプランが立ち上がっているようで、今後の展開が楽しみです。
 “LIMEX”製の名刺が、100枚1500円で作れる、と紹介されていたので(これにより10Lの水が節約できるのだとか)、昨日早速、応援も兼ねて2セットばかり注文してみましたが、TVであんな風に紹介されたら、数か月待ち状態か知らん?? 実物を早く触って、水の中で字を書いてみたいです(^^♪。(カバー用に使った場合、PP加工が不要になるような表面状態なのかも知りたい…)
 今回のゲストの関山さんにしろ山崎さんにしろ、euglenaの出雲さんにしろ、創業時のご苦労は、とにかく“資金調達”ーー。保守的な銀行より、目利きの投資家が頼りのようですが、いずれにせよ、大事なのはなんといっても“熱意”。熱い思いを持続させられたからこその“今”のようです。
 お二人に共通するのは、この“熱意”が猛烈にあったことのほかに、もう一つ、“受験勉強しなかったこと”という点があるそうで。エネルギー溢れる人というのは、どんな境遇にあっても、そのエネルギーを何かにひたむきに注入できるんだなぁ~と、妙に納得しました。
 TBMを支える屋台骨に、元日本製紙の「紙の神様」・元丸紅の「紙のプロ」・元花王の「商品開発の鬼才」が揃い踏みだそうですが、歳を重ねた末、こうした若者を応援する力になれるって、素敵なことだなぁ~とも思いました。ウキウキさせていただいた第500回記念でした!

【願】 原爆を更新するような時間とお金があるなら、上記のような研究に振り向けてもらいたいものです。。。

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コメント

hasshieさま、コメントありがとうございます。
おっしゃるとおり、地域によって有用性が上下すると私も思います。日本の紙はとても上質で使い心地も良いので、ニーズにも差異が出るかと思われます。
ただ、世界を見渡せば、水不足が深刻な地域も少なからずありますし、パピルスや和紙以来、ずっと依存してきた草木以外にも、“情報を固定する”対象が増えるのは、選択肢を増やす意味でとても価値があるように思えます。あ、“石に情報を固定する”というと、石碑とか半導体みたいですね! とすると、“素材革命”というのはちょっと違うのかもしれません(笑)。
柿田川水系の湧き水の放水のことや、間伐材の余剰のことまでは、考えておりませんでした。hasshieさまご指摘のように、日本国内で、未だ有効利用されていない資源に目を向けることも、大切なことですね。心に留めて、考えてみたいと思います。ご指摘、ありがとうございました。

投稿: Taraco | 2016年8月 6日 (土) 21時53分

突然のメール失礼します。

日本の場合結構特殊な立場にあると思います。
日本浜水資源は結構豊富で、例えば富士山の柿田川水系の湧水は結果的にそのまま放水される量がとても多いです。
また、日本の場合、間伐材の有効利用が残念ながら進んでいません。

紙を作るのに水と木が必要でそれが無駄を生んでいるというのであれば、このように放水されてしまうきれいな水と放置されてしまいお金にならない間伐材から紙を作ることはできないのでしょうか?

こちらの方が現在の日本にとっては有益な考え方と思うのですが如何でしょうか?

投稿: hasshie | 2016年8月 6日 (土) 21時05分

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