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2016年11月17日 (木)

地理的表示保護制度

 月・水は、「地理的表示保護制度」に関する研修2つ(茶園茂樹先生・農林水産省)に参加しました。以下、備忘録。

地理的表示〕(GI : Geographical Indication)
 現在登録されている地理的表示は以下の21件。
(うち、地域団体商標としても登録されているものには、*マーク)
1.あおもりカシス
2.但馬牛*
3.神戸ビーフ*
4.夕張メロン
5.八女伝統本玉露(*?)
6.江戸崎かぼちゃ
7.鹿児島の壺造り黒酢
8.くまもと県産い草
9.くまもと県産い草畳表
10.伊予生糸
11.鳥取砂丘らっきょう・ふくべ砂丘らっきょう
12.三輪素麵
13.市田柿*
14.吉川ナス
15.谷田部ねぎ
16.山内かぶら
17.加賀丸いも
18.三島馬鈴薯*
19.下関ふく*
20.能登志賀ころ柿
21.十勝川西長いも*

〔地域団体商標〕  上記の地理的表示とカブる商標(:権利者名)
・但馬牛:たじま農業協同組合
・但馬ビーフ:兵庫県食肉事業協同組合連合会
・但馬牛:兵庫県食肉事業協同組合連合会
・神戸ビーフ:兵庫県食肉事業協同組合連合会
・神戸牛(2件):兵庫県食肉事業協同組合連合会
・八女茶:全国農業協同組合連合会、福岡県茶商工業協同組合
・福岡の八女茶:全国農業協同組合連合会、福岡県茶商工業協同組合
・市田柿:みなみ信州農業協同組合、下伊那園芸農業協同組合
・三島馬鈴薯:三島函南農業協同組合
・下関ふく:下関唐戸魚市場仲卸協同組合
・十勝川西長いも:帯広市川西農業協同組合

〔地域団体商標でのデメリット〕
・品質の担保・統一化が図れない
・侵害に対し自ら訴訟提起しなければならない
・更新手続に費用が発生
・先登録の地理的表示があった場合、商標登録されても使用できない
・後登録の地理的表示があった場合、効力制限される
→農林水産物に限られるとはいえ、地理的表示としての登録メリットは大きい
(cf.地域団体商標の登録・更新時の一部軽減制度

 農林水産省のサポートとして、申請書作成のポイントを解説してくださった、食品需給研究センターの酒井さんという方は、食品トレーサビリティがご専門とのことでしたが、強調しておられたのは、「“登録後”を見据えた視点で、ビジネスにどう活かすかをよく考えて欲しい」ということでした。
 会場からはやはり、商標との先後願関係の質問が寄せられましたが、商標が先登録だった場合は、同一人か、または権利者から承諾を得た者でない限りは、地理的表示は登録されないので問題なさそうですが、地理的表示が先登録だった場合の、特許庁の審査基準が不明です。ただ、GI 申請要件には、「概ね25年以上の生産実績がある」という項目があるため、例えば、「奥飛騨の鄙びた神社内だけの一家相伝で継承されてきた“口噛み納豆”を、一世紀の時を経てGI 申請!」とかいう特殊な状況でもない限り、普通は商標登録出願が先行するのではないかと思われます(笑)。
 ですので、地域団体商標を出願する際、「この商標を、25年後まで地域で大事に育てれば、GI 登録も得て、国が守ってくれるようになる!」というような、継続目標の指針になるのかもしれません。この場合、当初から、品質維持の工夫を積み重ねる必要があります。(cf. GLOBAL GAP

【にっこり梨】 栃木の名産“にっこり梨”は、平成8年に品種登録されたそうなので、東京五輪の頃には、GI 申請可能となる感じでしょうか…?

20161105_5 先々週土曜の午前中は、TVで「食彩の王国」を見ながら、いただきものの最後の1個となった“にっこり梨”を使って、パイ&タルトを焼きました♪ レシピはCookPadにて。20cmのタルト型には大きすぎるビッグサイズの梨なので、放射状に並べられなかったのはご愛嬌(笑)。
 今期は、生で食べるより、肉料理やデザートとして調理して、存分に堪能した“にっこり梨”。洋梨のように、大根のように、リンゴのように、七変化してくれる、甘~くて大きな、小春日和の候に大活躍してくれる果物です!

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