米大統領選挙とTPP関連知財法案
昨日夕刻に決定した新しいアメリカ大統領――。
イギリスのEU離脱問題の結果に次ぐ、いわゆる“有識者”の予想を裏切る結果――。
「真に民主的な政治が行われてきたなら、ここまで格差は広がらなかったのではないか…」という、中下流層の声が聞こえるかのような、一連の動き。
今回の結果には、“女性の価値観”の二分も感じられ、本当に複雑な心境です。
(とはいえ、我が家では、夫と息子はヒラリーさんを予想し、私はトランプさんになってしまいそうと予想していたのでした…)
一方、こんなアメリカや、某相の連続失言等をよそに、TPP承認案・関連法案委員会可決。
いろいろと気になる話題てんこ盛りですが、知財関連法案だけでもトピックが多岐にわたっていて、どんなものがあったかすぐに失念するところ、弁護士の福井健策先生が参考人として意見陳述した際の内容をホームページにアップしてくださっていたので、備忘メモ。
・著作物等の保護期間の延長
・著作権等侵害罪の一部非親告罪化
・アクセスコントロール回避のみなし侵害化等
・配信音源の放送等二次使用への報酬請求権
・著作権・商標権侵害への法定の損害賠償制度
・特許における発明の新規性喪失の例外期間延長
・審査等に時間がかかった場合の、特許権の存続期間の延長
ほか
先日、医療情報学会の研究会に参加してきた夫ですが、「AIに食わせるデータも、知財問題があってそれほど自由じゃないらしい…」と言っていましたし、ますます知財の保護主義が技術革新のブレーキになりそうな、皮肉な雰囲気も…。
数年後に、これらの問題についてどんな所感を抱くことになっているのか、戦々恐々と見守ります。
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