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2017年2月 4日 (土)

Harvoni®とSovaldi®とヤマハ音楽教室

 C型肝炎の直接作用型抗ウイルス薬のHarvoni®とSovaldi®につき、偽薬報道が続いています。特許権がらみの訴訟もあったようですが、商標権がらみも。
 事件の概要もさることながら、個人的に、このネーミングの由来とか語感とかが知りたかったのですが、英語なのかフランス語なのかアイルランド語なのか、何語に基づく造語なのか?…よくわかりません。化学物質名から来てるのかな…?? 「ハーボニー」の方はなんとなく、「ハーモニー」という感触だけれど、「ソバルディ」の方は??? どなたかご存じの方、教えてくださーい!
(“「ソバルディ」の方は、化合物名を取り入れつつ、「ビバルディ」を連想させる”との友人の談。下記の話題とあいまって、音楽的でナイス!)

 そして、、、JASRACがヤマハ音楽教室等の大手音楽教室からも「演奏権」に基づく著作権使用料の徴収を企図している、とのニュース。去年の春、私自身がヤマハの体験レッスンに参加した際、先生が、(アルトサックスで演奏できる曲の音域等の解説を兼ね)「何かサックス演奏で聴いてみたい曲はありますか?」と尋ね、私が「ディズニーランドで聴いた“アラジン”の“ホール・ニュー・ワールド”が吹けるようになれたらイイな、と思って来ました」と言ったら、先生が、「それはちょっと、著作権の関係で難しいんで、別の曲を吹きますね」と、サラリとスルーされたのを思い出しました(この曲は、作品コード「0B7-9054-8」でJASRACに登録されていますが、先生が弾いてくださった曲は無信託曲でした。★きちんと著作権を考慮しておられたんだ!)。もし、JASRACのこの計画が実現されたら、「うちはクラシックと無信託曲以外は使いません」と高らかに宣言するのか、はたまた、包括料金を払って、ガンガン新曲も使われるようになるのか??。。。著作権のことを気にせずに、どんな曲でも自由に演奏できるようになるなら、それはいいことのようにも思えますが、、、。
 “ホール・ニュー・ワールド”が聴けなかった時点で、やりきれない気持ちになった私としては、著作権法第1条の「著作者等の権利の保護を図り、もって文化の発展に寄与」という法目的は、掛け声だけになっていないか?!と甚だ疑問に思ったものでした。。。
 本件については、カリフォルニアで音楽を勉強中の友人までが聞き及んだらしく、彼女の友人周辺でも話題沸騰のようで、昨日はわざわざメッセージで私に、知財ネタとして知らせてくれました。話を伺うに、「先生は楽譜を買っているわけだし、生徒も、気に入った曲の楽譜を買えばそこでお金を払うことになるんだし(「演奏権」と「複製権」等、支分権の重複行使は何重でも可能?)、また、(“市場の失敗”を言い訳に)大手の一般教室からだけ徴収するというのも納得できない」という声が多いようです。クラシックしか使わなくなったら、ポップな曲に惹かれて音楽を始める人が減って、JASRACや権利者にも不利にしか働かないのでは?とも思えます。
 個人的には、著作権者に一定のロイヤリティを支払うことは、リスペクトの意味で当然と考えるし、JASRACのご苦労もわからなくはないのですが、いつも“包括料金の徴収・分配”と“%の算出の妥当性”というところで引っ掛かってしまいます。
 なんとか早急に、集中管理可能なコンテンツのアーカイヴができ、利用者から著作権者へ個別・ダイレクトに、数銭レベルの電子マネーが支払えるような夢のシステム(マイクロペイメント)が技術的に構築されることを願い、双方に納得感のあるバランス・ポイントが確立されることを祈ります

(その後、別の友人から、「大学に、音楽教室の先生がピアノ指導に来てくださった場合って、どうなのかな?」とケーススタディ提供再び。大学の音楽の先生の給与と、音楽教室の先生の出張授業費としての報酬は、所属主体の属性で考えることになりますが、多くの人が混乱しそうな昨今の著作権ドタバタですね~。)

20170203_1 20170203_2  【立春】 昨日の節分を経て、本日立春! 春遠からじ――。

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