『誰がこれからのアニメをつくるのか?』
長年アニメ業界をウォッチし続けている友人が上梓した新書を拝読しました。
『誰がこれからのアニメをつくるのか?』――アニメ旋風が吹き荒れた2016年が明けたこの時期の刊行は、グッド・タイミングだと思われます。
アニメ・ビジネスにおいても、キーワードは「グローバル化」と「インターネット」。少子高齢化の進む日本の中だけにターゲットを絞るのはもはや現実的でなく、必然的に世界を目指さざるを得ない状況ではありましょうが、その際キーとなるのが、「中国資本」と「配信ビジネス」だとのこと。様々なデータを交え、業界の今後の未来予測をしながら、ポスト宮崎駿となりうるクリエイターを概観し、制作・製作者、配給・配信者等の新しいプレイヤーの可能性に迫る、充実の一冊。客観的データ満載でとても勉強になりました! 工夫次第で、まだまだコンテンツ・ビジネスの形も様々な可能性があると前向きに感じられます。
クールジャパン構想のなりゆきは今ひとつピンと来てはいませんが、日本発のアニメが人の心を柔らかくし、世界を和やかにしてくれるものと信じて、陰ながらいろんな人を応援しています。年々、その豊穣さをアップデートするかのような昨今のアニメーションですが、制作現場の改善や、配信の工夫を重ねつつ、これからは、作り手もワールド・ワイドに協力し合う時代なのかもしれないなぁ~と思いながら本を閉じました。
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