タイムスタンプ保管サービス
明日から、INPITによる「タイムスタンプ保管サービス」の提供が始まるようです。
ある文書の成立時点を証明したいような状況が予期される場合に、事前にこのサービスを利用しておくと安心です。
このサービスがもうちょっと早く実施されていたら、是非利用してみたかったなぁ~という事例が一つ。
友人が数年前に事業を興し、サービス名称“A”を定めて活動開始。地域に根付いた地道な活動で、着々と支持者を増やして軌道に乗ってきた頃、その名称“A”と酷似した名称で、大手家電メーカーがCM開始。幸い、このメーカーの製品と、友人のサービスとは異なるものでしたが、念のため商標登録を検討しようかな、というお話しを伺い、調べてみると、類似する登録商標が複数件。。。いずれも、友人が事業を開始した時点よりは遅い出願でした。友人の使用する商標が、それらの出願時点で周知となっていたと言えるかは微妙かもしれませんが、使用開始時に上記INPITのサービスを利用できていたら、少なくとも先使用についてだけは容易に証明できたんだなぁ…と(あ、でも商号登記はさすがにしてたのか?)。
本来は、事業を開始する前に商標登録出願をしておくのが万全とはいえ、小規模事業者のスタートアップでは、出願費用の捻出も簡単ではない場合もあり、、、。無料で、少なくとも使用開始時の証明だけは得られるなら、保険として利用しておくのも手かも。また、出願可能な場合でも、いっそ出願とセットで実行しておくというのも一案?(※タイムスタンプ発行のためのクライアントソフトのランニングコストが、月額1万円弱くらいかかりそうなので、小規模事務所での利用は現実的には難しそうですが…)
――昨今の、商標トロール的な出願が排除されない限りは、商標法32条の周知認定に(4条1項10号とは別の位置づけで)、タイムスタンプ確保により(濫用的な)権利行使を免れるような措置があってもよいのでは…とも思ってしまいます。
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