MONO(3C)とセブンイレブン(4C)
先週水曜日、特許庁のトップページでわざわざ、色彩のみからなる商標として初めて登録の日の目を見た2点の登録商標を紹介する、経産省のページへのリンクが張られていました。その2点とは、2015年4月1日に出願された株式会社トンボ鉛筆の出願2015-29914と、同日に出願された株式会社セブン-イレブンジャパンの出願2015-30037。いずれも2色以上の色彩を組み合わせたもの。登録査定が出た2017年2月28日までに要した時間は、約1年11か月――やはり、これくらいの時間待たされても全く動じないくらい、安定したロングセラーにしか適用は難しい制度なのだと思われます。現時点で(2017年3月2日朝)色彩のみからなる商標を検索すると、437件がヒットしますので、このデリケートな審査はまだまだ続き、審査官の皆さんのご苦労がしのばれます。
(尚、トンボ鉛筆さんの3色の配色パッケージの図案は、登録商標第4268401号として、20世紀末に既に登録されています。指定商品は“消しゴム”ではなく“文房具”等。)
ところで、我が家の息子は、学校前で配られる予備校のパンフにオマケで付けられた消しゴムを山のように蒐集(?)しており、左写真の倍以上溜まっています(苦笑)。この写真の右上に見えているのが、トンボ鉛筆さんの「MONO」ですね。青と白と黒のストライプがすっかりトレードマークになっています。長年同じデザインで、しかも“消しやすい”という安定の信頼性も獲得し、今回の登録に結びついたと考えられます。
「安定の信頼って大事だなぁ~」と、これらの消しゴムを眺めていたら、その中に1つ、異色なMONO消しゴムが?! シルバーと白と黒のストライプで、消しゴムが黒いもの! こちらのタイプも出願されてたりするのかしらん…と調べてみたら、色彩のみからなる商標としてではありませんが、すでに2009年には登録されていました~(色彩のみからなる商標としては、現時点(上記同)では出願されていない模様です)。
【単色は…?】 色彩のみからなる商標の出願の中には、単色のものもチラホラ…。ティファニーブルーなんかは、相当識別力は高い気がしますが、何かの分野で、ある色を誰かに独占させてしまうというのは、やはり相当難しい気がします。今後の登録状況も注目ですね~。
【マリカー】 今話題の「マリカー」について、一時期(ゲームの方の)マリカー・フリークだった息子に、「“マリカー”って聞いて何を連想する?」と訊いたら、「マリオカート以外に何があんの?」とのこと(笑)。一般市民全般にとっては著名でない言葉のようですが、ゲーマーにとっては常識以外の何物でもない模様。
【パロディ商標天国?!】 本日、「フランク三浦」の商標登録に関するフランク・ミュラーの最高裁への上告が退けられました! 今後は、高級製品に対する安物パロディ商標天国になるのでしょうか?! 「スペンサー鳩」とか「ルイ美豚」とか…? 不競法による提訴、あるか?!
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