« 後期高齢者向けの薬について | トップページ | 生活とサポートと仕事とのバランス »

2017年4月26日 (水)

ケアハウス

 義理の父の入院をきっかけに、母が一時的にケアハウスのショートステイでお世話になることになり、未知の体験をいろいろしています。
 今回のことで、父が「要支援1」(今回の退院後には「要支援2」又は「要介護1」になるかも…?)、母が「要介護4だったものが2」に回復していること、介護度は区の調査員の面接により決められること、月間使える介護点数が母は「19676点」であること、ショートステイは1日30点の使用が適用され、30日以上は連続で使えないこと、収入具合で決まる介護負担額の割合(父と母で異なる)、資産額による減免適用の有無、介護のどんな項目に医療保険が適用されるのか、特別養護老人ホームは要介護度3以上でないと使えない、などなど、介護保険の仕組みの一部を垣間見ることとなりました。
 ただ、この国の老後の社会保障が、こんな状態でいいのか?という問題意識もものすごく大きくなったことは確か。ただでさえ認知能力も体力も落ちている人達に、こんな複雑な仕組みを理解して活用させるのも問題だと思うし、ケアマネさんの助けを借りたり・お任せするにしても、現役世代にも大きく依存する仕組み(現役世代の生産性も確実に落ちる…)――。。。生まれながらに不平等な人間だけれど、自分のことを自分でできなくなる余生期間くらい、誰もが平等に、何の準備も心配もなく、(希望すれば)自動的に施設に入れ、安心して過ごせるようにしないといけないんじゃないか?――現役世代も後期高齢者も、老後の確実な安心が得られれば、消費税12%以上でも厭わず、将来の不安から解放されるんじゃないのか?――

 ケアハウスに初めて立ち入りましたが、最初に通された共用の食堂は、当初、必ずしも温かい印象ではありませんでした。多くの人が、食事には介添えが必要で、認知症か老齢によるボケで、黙っていたりずっと手拍子していたり、机をドンドン叩いたり、それを「うるさい!」と怒る人がいたり。施設の入り口も、フロアのエレベータや階段等も、お年寄りが簡単には出て行けないように、暗証番号が必要だったり、わかりづらい所に開放ボタンがあったり。。。
 義母も物忘れはかなり進んでいますが、「家の方が安心するけれど、お父さんの病気が治って退院するまでは、私もここで頑張らないとね」とおっしゃり、状況をわかってくれているようでした。頑張る場所として、居心地良い場所であって欲しいと思いますが、なかなか難しいのが実情のよう。。。(2度目・3度目に行ったときは、静かで皆さん落ち着いていました)。
 ケアハウスは、どちらかというと、お年寄り本人のためというより、介護する側の人の休息のための施設なので、パジャマ等の服は3セットも準備しておけば、施設の方で洗濯してくれるため、頻繁に交換に行く必要がないのは大助かり! 薬もしっかり飲ませてくれ、朝夕の着替えもさせてくれるので、家でパジャマで寝たきりでいるより、筋力トレーニングにもなる印象で助かります。心なしか、起きていられる時間が増えたような気すらします。
 父には早く退院して欲しいですが、退院しても、おそらく今までのようにはとても過ごせないだろうと考えると、この状況に適応する方法を、あれこれ検討する必要があり、夫とはそんな話ばかりしています。
 介護で何より辛いのは、何をしてあげても「忘れられてしまうこと」「役立っているのかよくわからないこと」かもしれないなぁ~、、、なんて、手前勝手な感想も初めて抱きました(“シーシュポスの神話”感?)。別に、覚えていて欲しくて対応しているわけでも、介護が進歩的な仕事でないと思っているわけでもないですが、やはりなんとなく寂しいものです。まさに無私の奉仕の気持ちがなければ、到底できない仕事ですね。

 今回のことで、いろいろな書類を書く際、「続柄」の欄がありました。最初の1枚の時、「“次男嫁”でいいですよ」と言われ、その後は全部“次男嫁”と書いていましたが、“義娘”とか“二男妻”の方がまだ適当だったな…、と後で思いました。「嫁」と言われるとどうも、介護について全面的に責任を負わないといけない気がして、看護士さんやヘルパーさん達に対して、申し訳ない気持ちが一層高まり、なんとなく視線が痛くて、精神衛生上よろしくないなぁ…と思ってしまいました。私が動いているのは、別に“嫁”だからでなく、親戚のうちで一番時間に融通が利く立場だし、身近な人が困っていたら、“可能な範囲で”助けるのが当たり前だからであり、100%自分が対応しなければいけないと思ったら、逆に腰が引けてしまう気がします。
 高校時代の友人で、ご主人のご両親の介護で十数年献身的に尽くしていた人がいますが、どんな風に気持ちの上で割り切っていたのか、無性に話を聞きたくなっています。
 どこのご家庭でも、似たような状況を乗り越えていらっしゃるのでしょうが、皆、どんな風にされているんでしょう。。。

 

|

« 後期高齢者向けの薬について | トップページ | 生活とサポートと仕事とのバランス »

介護」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 後期高齢者向けの薬について | トップページ | 生活とサポートと仕事とのバランス »