商標登録とドメイン名紛争処理
先週、よく拝読する都内の特許事務所さんのブログに、JPCERTが遭遇したドメイン紛争処理について書かれていました。自社と類似のドメイン名を、赤の他人に登録されてしまう被害というのは、過去にいくつも例がありますが、JPCERTさんの事業が、インターネットセキュリティ対策の情報提供等であることに鑑みると、類似ドメインの登録を放置することは、大きなリスクをはらんでいたことでしょう。上記リンクには、情報提供によってその事実に気付いた後、60日という短期間での迅速対応に関するレポートが開示されています。
トップレベル・ドメインによって、紛争処理を申し立てる組織が違うとか、自社の商標登録がなされていないと、なかなか申立が認められないとか、勉強になりました。
最近では、怪しいメールの添付は開かない、怪しいドメインのURLにはアクセスしない等、多くの人が普通に気を付けるようになってはいますが、JPCERTがjpドメインなのかorgドメインなのかなんて気にする人はいなかったでしょうし、JPCERTらしき所からのメールだったら、各社の情シス担当者であっても、うっかり添付を開いていたかもしれない(セキュリティソフトが警告してくれるか…)と思われ、大きな被害が出る前で、本当によかったと感じます。
それにしてもWIPOは、「Pantry Food Service」という名を騙って、今回のドメイン取得をした組織について、情報公開したり、取得動機の究明をしたりしてくれるものなんでしょうか? せめて当事者のJPCERTさんには、相手方の情報は知らされているのかな??
【インクカートリッジ】 全然別件ですが、米国のトナーカートリッジに関する特許消尽についての最高裁判決を紹介してくれているブログ発見。日本の“総合考慮”とは趣が違うようで…。
一方、花王が、水性顔料インクLUNAJETで、「発明賞」受賞。
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