AI に仕事を奪われる日…?
先週、AI による失職ネタで、業界内が少し賑わっていた模様です。話の発端は、今年9月に日経新聞が報じた「弁理士業務の92.1%がAIで代替可能」(野村総研と英オックスフォード大学の共同研究)とのニュース。
私が出版業界にいる間に、ワープロやPCやオフセット印刷・オンデマンド印刷等が普及し、あっという間に活字職人さんや写植職人さんが消え去ったのを目の当たりにしているだけに、仕事が減るだけならいいけど…という思いも無きにしも非ず。
商標登録に関し、「Toreru」とか「cotobox」等の野心的な取り組みも生まれていますが(簡易検索で、称呼同一や関連可能性のある出願・登録商標を抽出してくれたり、完全同一の先行登録商標と重複する指定商品・役務を示してくれます)、特許庁が(審査基準も乗っけた)官製の登録用システムを作ったりしたら、ユーザーには便利なことこの上ない一方、業界は恐ろしいことになるような気もしなくもなく。。。(苦笑)。出版での取次や、流通での卸のような、中間的業務の中抜きが可能になっている時代、技術的に中抜き可能なものは、もっともっと増えることは間違いないと感じます。
この業界も、直近は、クリエイティブな方向と、争訟的な方向のニーズに偏っていき、代書的・管理業務的な部分は効率化が進むってことなんだろうな、と思いますが、AI と一口に言っても、どの時点でのどんなAI の時代を差しているのかが不明なので、「92.1%代替可能」の信憑性は、検証しようがありません。
AI の進歩もさることながら、知財教育が盛んになり、発明者自らが見事な出願書類を書けるようになるなんてことも、考えておくべきことかもしれません(私の同期にも、「ボクは発明家です、自分で出願できるようになるために資格取りました」って人がいました。。)。
もし、Googleさんあたりが、Google Earthくらいの意気込みで、地球規模の知財権管理システムでも作った日には、著作権の活用を望むクリエイター等は、すべての創作物をクラウド上に登録して、自分の望む諸条件を自主設定し、ユーザーやライセンシーと直にやりとりしてアクセス権を設定するようなことも、もはや技術的には不可能じゃないように感じてしまいます。
オープン・イノベーションとか、シェアの意識が目覚めている一方、世知辛いビジネスの上では、今後、手続きや管理については極力省力化され、諸々の権利はきちんと自分自身でコントロールしていく時代になると予想され、その端緒が、音楽著作権の自主登録・管理システムとして現れてきそうな気がする今日この頃です。とはいえ、目利き的で、社会のニーズを把握した上で創作物をブラッシュアップする力のある専門家は、いつの時代にも求められるんじゃないかなぁ~と思います。(cf. Boston Dynamics)
【AfternoonTea】 昨夕は、仕事を速攻で終わらせて(←最近使い始めた便利なツールのおかげ!)、夕刻の小一時間ばかり、友人とAfternoonTea♪ 有休を取って「怖い絵展」を堪能した後の友人は既にリフレッシュ済みでしたが、最近のアレコレをおしゃべりして私も気分転換
。わずかな時間でも、年内に会えてよかったぁ~
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コメント
まぁ、自分が生きている間は、まだまだそんな心配はないだろうな~、、とは思うのですが、SFの世界で描かれるようなヒューマノイドが実現するような時代まで視野に入れると、ちょっとよくわからなくなっちゃいます(^^;;。
投稿: Taraco | 2017年11月21日 (火) 14時22分
あ〜、AIに翻訳者の仕事が奪われる〜なんて記事もよく出回っていて、その度に同業者さんが論破していって、結局、それはありえない、記事を書いている人は、翻訳者の仕事内容をわかっていない〜ということに落ち着きます。なので、あまり心配しなくても大丈夫ですよ
投稿: Lotus Flower | 2017年11月21日 (火) 14時08分