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2018年6月19日 (火)

消尽と「地球少女アルジュナ」

 先週の師匠の講義で、「消尽」の議論の際、遺伝子組み換え大豆をめぐるアメリカの最高裁判例を題材にした問題を検討しました。この事件について予習するに際し、市場調査(?!)したところ、どういうわけか、以前何度か本の企画を打診させていただいた方が関わったアニメ「地球少女アルジュナ」という作品がヒット! 放送当時は、あまりに時代を先取りしすぎのアニメだったようですが、私としては是非とも観ておきたい佳品の予感!!

 

(以下はへそ曲がりの私論で、今後悶々と抱え続けることになりそうなテーマのメモです。消尽というより、実施行為の問題ですが…
 遺伝子組み換えにより、これまで自然界に存在しなかった、某除草剤耐性のある大豆ができ、その“大豆”の特許権が成立したとき、その特許の“実施”って、なんだろう?――本来の題材は、もっといろんな設定があり、こんな単純な話ではなかったし、常識的にこれまでの消尽がらみの裁判例を参照すれば、結論は1つの方向に収束することが予見されるのですが…、それでは思考停止してしまいそうだし、自然の摂理に照らしてなんか納得できない!――ということで、敢えてへそ曲がりに考えると…。

 物の特許の“実施”は、“生産”“使用”“譲渡”等…。つまり特許権者は、「業として、この特許にかかる“大豆”を、独占的に生産”“使用”“譲渡”等できる」わけですが、、、この場合、“生産”とは、「遺伝子組み換えをして、某除草剤耐性のある大豆を作ること」、“使用”とは、「この大豆を、食べたり、育てたり、花を咲かせたり、鑑賞したり…自由に使うこと」、“譲渡”は、「この大豆を、売ったりすること」――
 で、一度権利者が国内で特許製品を販売したら、通常はその特許権は用い尽くされたと考えて、それを買った人のその後の自由な利用行為には及ばない…。
 件の大豆を買った後、農家がそれを使って業として(売り物の農産品として)大豆を育てるのは侵害行為ではないにせよ、さらに種として大豆を採種することは、この特許権の侵害に当たるのか…? 大豆を採種するために「大豆を育てること」が、「生産」に当たるなら、侵害になってしまうわけですが……。
 
あれれれれ?? 先ほどの、“生産”とは、「遺伝子組み換えをして、某除草剤耐性のある大豆を作ること」を採用すると、普通に育成して別種交配とか突然変異とかを許容することは生産には当たらないような…??? ダメかしらん? 無茶苦茶かな?(cf:“Restrictions and location are irrelevant; what matters is the patentee’s decision to make a sale.”、DIYバイオ

 

【自己複製するヒューマノイド・ロボット】 耐用年数間近になると、自分自身で材料調達して、自分と同じ構造のロボットを2体組み立てる(複製機能付き)ヒューマノイド・ロボットの特許が成立したとして、そのロボットを、メンテナンス契約付きで購入した人が、その初代から派生した弐代目、参代目…を、1体ずつ他人に販売する行為は、特許権侵害???

 

 前記の「地球少女アルジュナ」の第1話が、amazon primeで無料だったので、金曜の晩、早速見てしまいました~! いきなりの臨死体験表現からして独特のテイスト♪ 果たして、全話見届ける時間が取れるでしょうか…?♪ このアニメにはきっと、“地球を消尽させたくない”…という思いが詰まっているんだろうなぁ~(と、勝手に予想)。
 エネルギー問題や食料問題など、いろいろな意見の対立がありますね。個人的には、いずれの問題もスケールが大きすぎて、判断可能なファクトの蓄積が圧倒的に足りない気がします。感情的にならずに、様々な意見に冷静に耳を傾ける難しさも感じます。“消尽”についての意見も、もっといろいろ聞いてみたいなぁ。

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