法性決定
以前、友人のお子さんが小学生だった頃、宿題がわからなくて号泣したという話を聞いて、「“わからない”ことをそこまで悔しがって泣けるなんて、なんて偉いんだろう…」と感動した私。そう、いつも“のらりくらり”と生きている私には、あまりそういう経験がなく、わからなくても、「まぁ大したことないや…」と、わからないままに放置して安穏としていることの方が多かったからかもしれません(苦笑)。
が、今年度、国際私法という、渉外的私法関係の準拠法を指定する法規範(法例→通則)について勉強し始めたら、わからなさ加減がハンパなく、初めて泣きたい気持ちになりました。大企業で国際的な契約等に携わるわけでも、ダーリンが外国人であるわけでもない私が、こんな勉強をする意味あるのかな?と思いつつも、国境がこれだけ溶解し、この先世界がどうなっていくのかわからない時代にあっては、「自分を規定する法律って、なんだろう?」と考えておくことが、すごく大事な気がするのに、取り付く島もない感覚が、どうにもやるせない…。(あ、先生の名誉のために申し添えれば、先生が問題意識を掻き立てる授業をしてくださるからこそ、の、素養不足の自覚ですので悪しからず…)
そもそも、日本人と日本人の間に生まれ、日本に暮らしているからといって、どうして日本の法律に規定されなきゃいけないのか? もし、何か特殊な宗教観に打たれたりした場合、そういう“当たり前”に安穏としていられるのか? “個”に関しては、取り巻く世界がすべて“渉外”だと考えると、公法的とか政策法的とか言っても、法律はあまねく“政策法的”なんじゃ??…なんて思えてきたり…。もうホント、わけがわからない…
。あれこれと、細かな事例を検討する以前に、このあたりの根本的なことに納得感が得られないと、どうにも思考が動き始めない…。
まぁ、これだけ国に守られて生きてるんだから、別にとやかく言うつもりは微塵もないけれど、各国の法律を勉強した末に、移住して現地人と結婚したり改宗したり国籍を取ったりするような人は、自らの意思で、ある種の法性決定をしてるのかも、と思うと、国の存続が実は“個”に委ねられているのを感じます――。
アメリカでは不法移民問題がずいぶん取沙汰されていますが、日本でも、少子化や低い投票率が、黙示の精神的亡命にさえ感じられてしまう今日この頃。。。
先週、こんな心持ちで泣く泣く帰宅したら、TVではWカップで盛り上がる世界各地の映像が…。ああ、スポーツとか音楽とか数学とか、なんてスッキリしてるんだろ…。
…と、屁理屈こねてるヒマがあったら、勉強しろ~~っ!(笑)
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コメント
おお、確かに…
後の時代に冷静に見れば、どう考えても
法律を守った人の方がおかしくて、法律を破った人の方がまともだと感じますね。。。
“時代に飲まれる”とは言いますが、どんな状況でも、何が自分にとってのフェアなのかを、自分で考えて決断しないと、とんでもないことになりますね。貴重なご指摘、どうもありがとうございます!
投稿: Taraco | 2018年6月26日 (火) 07時10分
法律と言えば、私は最近、FBでこれを見て
https://makeameme.org/meme/the-people-who-5b2fba
(私の名前をクリックするとサイトに飛べます)
考えさせられました。
どの法律も結局、人間の都合で作られたのもですからね。
投稿: Lotus Flower | 2018年6月26日 (火) 05時15分