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2018年7月30日 (月)

インターネット上の海賊版対策に関する検討会議(第4回)

 内閣府の政策委員会では、現代の様々な問題につき、検討会議を催しています。
 先週、同期の友人と、「インターネット上の海賊版対策に関する検討会議」というものを傍聴してきました。円卓を囲む委員や文化庁職員等が40人弱なのに対し、傍聴者が100人以上はいたように見え、世間の関心の高さが伺われました。
 テーマに関し、ブロッキングを行っている各国の状況や法整備状態の発表(イギリスやドイツ)があったり、民訴や憲法の観点からの考察があったり、ブロッキング技術の解説があったり、とても勉強になりました。
 個人的には、単なる海賊版対策の問題というより、インターネットの未来を左右する問題に思えます。ある委員が、ブロッキングの検閲的側面について、「もしこのような措置が、取次や書店に対して行われたらどうなるか、出版社の方ならよくわかると思います」とおっしゃり、思わず『図書館戦争』を彷彿としました(インターネットによって衰退を余儀なくされている業界が喩えに用いられたのは皮肉ではありましたが…)。すでに日本でも、児童ポルノ対策としてのブロッキングは行われているようですが、私としてはわからないことがアレコレ。。。DNSブロッキングにどのくらいの費用や時間がかかるのか、とか、通信の秘密や表現の自由との関係で考慮される“比例性”の意味がよくわからなかった、とか、海外ではあまり検閲的な議論がないのはなぜか、とか、日本にはISPが千社ほどもあるのに、なぜイギリスでは4社で95%ほどもフォローしているのか、とか、、、。
 わからないことは山積みでしたが、別の委員の方が、「この話題は広く公開し、法律や技術の勉強会も公開でやりましょう」とおっしゃっていたことに安堵しました。
 一緒に行った友人が、「VPNでたいがいは回避できちゃうんですけどね」と言っていたり、会議内でも、「モバイルルータやWi-Fiオフロードの問題も要検討」との発言があり、もはや法律問題は技術と密接に絡み合っているのを感じました。「客観的な情報を集めて、急場しのぎでない対策を」とか、「情報の自由な流通と保護のバランスをよくよく検討し、これからの情報社会をどう作っていくかが問題」との発言もあり、皆さんそれぞれに知恵を絞っておられるようでした。

 これまで、有識者会議というと、どこぞの偉い人が、まるで他人事のように机上の空論をのんびり交わしているイメージだったのですが(失礼!)、今回、その一部を垣間見て、皆さん短い時間の中でも、勉強を重ねながら、最善の道を探っているのを感じました。貴重な機会が得られたことに感謝しつつ、自分でもインターネットの未来を考えてみたくなりました。

20180725 帰路、友人とスタバで喉を潤し、しばし復習して解散。充実の午後でした。

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