『宇宙に命はあるのか』
しばらくツンドク状態だった一冊『宇宙に命はあるのか ――人類が旅した一千億分の八』を、先週読了。NASAのジェット推進研究所で、火星探査ロボットの開発に関わっておられる小野雅裕氏が著者。
宇宙探査の歴史を概観させてくれ、「想像力」のチカラを思い起こさせてくれます。また、開発の陰の立役者たちを紹介するとともに、宇宙の広大さを感じさせてくれます。最後の一章は、ひたすら人類と宇宙の命の未来に、あらん限りのイマジネーションを働かせて、地上の現状に警鐘を鳴らしています。
私の世代は、インターネットという発明の時代に立ち会えたと同時に、華々しい宇宙探査の時代にも立ち会っているんだなぁ…と、つくづく感じます。
1967年に104か国が調印・批准した宇宙条約の第9条には、次のような条文があるとのこと(P.196)。
――月その他の天体を含む宇宙空間の有害な汚染、及び地球外物質の導入から生ずる地球環境の悪化を避けるように月その他の天体を含む宇宙空間の研究及び探査を実施、かつ、必要な場合には、このための適当な措置を執るものとする。――
“探査する”ということは、その対象世界と“相互作用する”ということだから、上記のような感化をゼロにすることは不可能だとは思いますが、“先走りは禁物”という著者の主張に頷かざるをえませんでした。あまりに壮大な話が続き、SFとの境界が分からなくなりそうでしたが、現に民間の宇宙開発は着実に進んでいるんですよね。。。
ボイジャーに搭載されたゴールド・レコードに、ジョン・レノンのImagineがなかったのは残念でしたが(Beatlesの曲は著作権者の許可が下りなかったのだとか?!)、いつの日か、宇宙のどこかで、あのレコードを聴く命が現われるのを夢みてしまいます。素敵な一冊をありがとうございました!
さてさて、以後来年2月ごろまでは、ひたすら論文読みに専念するぞぉ~、、、と思いきや、この三連休は、夫が学会で不在なのをいいことに、『情報法入門』なんて本に手を伸ばしてしまいました…。スコーンと紅茶をお供に…♪
【樹木希林さん】 一昨日ご逝去。ご冥福をお祈りします。。。
| 固定リンク
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 日本野鳥の会 創立90周年記念誌(2024.07.17)
- 「時間」と「SF」(2024.06.25)
- 『森と氷河と鯨』(2024.04.12)
- 家庭画報3月号(2024.02.28)
- 『還暦不行届』(2024.01.18)
コメント