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2018年9月 4日 (火)

標準化教育セミナー

20180903_2  先日、「標準化教育セミナー」というものに参加してきました。一昨年、弁理士キャラバン講習の一環で、某企業さんを訪問する際、付け焼刃ですが、事前にISOなどの標準化の本を斜め読みして、「これは工学部の人とか、必須じゃないのかな?」と感じた記憶がよみがえり…。また、今年の秋、ついにキログラム原器の定義が古典力学系から量子力学系に変わる記念の年でもあり…。キャッシュレス決裁にQRコードが標準化されるとかいうニュースもあるし…。
 本セミナーは、知的財産教育研究共同利用拠点になっている山口大学の知的財産センター主催。以前お世話になった木村先生の開会挨拶に始まり、経産省の村松雅子氏からは国際標準化の動向や人財育成に関するお話しをいただきました。その中では、産業標準化法(JIS法)の改正のお話しもありました。
 一橋大学イノベーション研究センターの江藤学先生のお話しにはいろいろ刺激されました(かねてより、日本の法律のready-madeな感じをいたたまれなく思っていましたが、標準化に関しても、日本人は、欧米が決めたルールや規格を学ぶばかりで、ゼロから自分で作ろうとしなかった…という話など)。9/3-7で、「ルールに縛られるか、ルールを作るか」と題して、農工大で集中講義をなさるとのことで、世界に出て行って、自ら国際標準を獲得できるような学生を育てることに尽力なさっている模様。
 山口大学の佐々木通孝先生は、なんと、私が受験生時代に拝読した『弁理士試験への招待』という書籍の著者様でした!(名刺交換させていただいた際に判明!) 本セミナーで配布された『教則 標準化とビジネス』という教則本の著者でもあり、使い方を丁寧に解説してくださいました。DVD3枚が収録された充実度で、標準化の具体例も豊富らしく(牛乳パックの仕様、温泉マーク、ネジ、レール幅、コンセント、自転車、ビデオ、DVD、オーディオ類、カメラ、カセットコンロ、抗菌、今治タオル、エステサロンなどなど)、後日、是非熟読したいと思います。

 佐々木先生が、IBM-5150のソースコードの著作権問題クリアのための「クリーンルーム設計」というものについてお話しくださったのも印象的でした。「依拠性」を回避するため、リバースエンジニアリングする者と、その者から機能だけを伝え聞いて新たにプログラミングする者とに分ける手法だそうで、著作権侵害訴訟の「ありふれた表現」認定の場面でも使えないかな~?などと考えてしまいました
 閉会挨拶の佐田洋一郎先生は、長年特許庁で審査・審判実務にも携わってこられたそうで、その当時は、標準化と特許制度は水と油のように捉えられていたようです。しかし昨今は、アウトバウンド型オープン・イノベーションのように、様々なフェーズでの知財利用を総合的に検討する必要があり、それが出来る人財育成のための活動を活性化させたいご様子でした。
 ほとんど野次馬的好奇心からの参加でしたが、いろいろ有意義な刺激をいただきました。やはり時間が許せば、興味に従って動いてみるのは大事だな、と思いました。(究極の標準化は、言語と法律の標準化かもしれませんね~、まぁ、そこまで標準化してしまうと、この世界はひどくつまらないものになってしまいそうですが、、、)
〔昨日、東京国際知財仲裁センター発足…日本知的財産仲裁センターと併せて標準化できなかったのかな?…

【免許取得】 昨日ついに、息子が普通自動車の運転免許取得! 何事も、教育は大事だなぁ…と、今頃つくづく思います

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