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2018年10月17日 (水)

ギャンブル(裁判)嫌いな日本人

 先日の講義で、元裁判官の先生が、「裁判官としての一般的資質」について話してくださいました。正義感・論理性・思いやり等をバランスよく持ち合わせていることと、適切な表現能力があることが必要、とのこと。フツーの人にとっては未知の世界に感じられる裁判所だし、時折TVに映る裁判官の方々は、動的な表情を感じられないことが多いので、もっともっと裁判官の人となりがわかる仕組みがあったらいいのに、と思いました(笑)。
 また、以前アメリカのフェアユースの一般条項について調べたとき、その欠点として「予見可能性の低さ」があると認識しましたが、先生が、アメリカの訴訟数の多さに絡め、「ギャンブル性のある所にお金が集まり、経済が回る」というようなニュアンスの話もされていました。
 ということは、予見可能性が高めな日本の著作権法の個別的制限規定なんかは、ギャンブル(裁判)嫌いな日本人の嗜好に沿ったものではあっても、経済の活性化という意味では、貢献度が低いってことか…?
 そして、一番驚いたのは、先生が裁判官になりたての頃と、退官の頃とで、やっていることはほとんど変わらない、とおっしゃったこと?! 裁判所は、日本の中では独占企業みたいなものだから、競争もなく、むしろ給与体系等で敢えて競争性を弱めて、雑念に翻弄されず中立公正が保てるような環境作りがされているのだとか。。。独禁法的に考えると、公正な競争はあった方がいいような気もしてしまいますが(笑)、今はいやがおうにも国際競争に晒されているのでしょうか…(韓国の特許法院は、「世界の知財裁判のハブになる!」と謳い、いろいろ改革を進めているそうです)。とはいえ、国内事件についてはほぼ独占状態であることに変わりなく、改善のモチベーションは上がりにくそう…

【ドラマ】 今期、「フェイクニュース」と「リーガルV」が気になります~。

アスパラシェルフ】 権利処理を含めた自炊代行サービス出現?! 1000冊以上一括なら1冊1800円(180万円)とのこと。権利処理費用がかなりの割合を占めるような気がするのだけれど、デジタル化NGの出版社や、ロイヤリティを求める出版社がいても、ちゃんとペイするんだろうか。。。? それ以前に、デジタル化に関して著者と出版契約を結んでいない出版社は、この問い合わせに関していちいち著者に確認を取るんだろうか。。。? サービス自体には大賛成ですが、諸々気になります~(「複製許諾」を受けていればデジタル化もOK、との解釈もあるようですが、私の古巣では、十数年前にはまだ、デジタル化は別途の契約になっていたので、古い本に関しては微妙なものが多いような気がします)。

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