著作権法の本だけでも…
自分なりに、これまでの人生の半分弱を費やしてきた仕事の総ざらいをするつもりで、目下勉強に勤しんでいるわけですが、仕事の礎だったはずの著作権法の1テーマだけでも、なかなか確固たるものを掴めずにいます(煮詰まってる…汗)。
著作権法の教科書といっても、研究者の本は数々あり、意見や考え方や解釈もまちまち。1テーマについて自分の考えをまとめるだけのことなのに、えらく呻吟します。
ただ、こうやっていろんな先生方のいろんな考え方を居ながらにして知ることができるっていうのは、“本”という媒体あってこそ。まぁ、電子書籍とかデータだけでもいいわけだけれど、写真のように本を並べると、なんだかシンポジウムにおけるパネルディスカッションを見るかのよう(…いや実際、時折、本や論文同士が活字で会話してるんですよぉ~笑)♪ “文は人なり”ならぬ“本は人なり”と思って仕事してきましたが、今さらながら、出版の仕事に携わることができて幸せだなぁ…と思います。
(それにつけても、産業財産権法に関しては、『工業所有権法逐条解説』(いわゆる青本)というものが書籍でも電子データでも公刊されているのに、お茶の間法たる著作権法に関して、何故に逐条解説がないのか?――カトチクと呼ばれる『著作権法逐条講義』(赤本?)は第六版まで出ていますが、高価でなかなか全版揃えるわけにもいかず。。。文化庁さんが電子データで出してくれることを熱烈希望します!)
これから先の時代、“本”って、どうなっていくんだろう…? 文化の日を中心にした2週間が読書週間ですが、読むべきたくさんの活字を目の前に、出版の歴史や意義に思いを馳せている今日この頃です。
【EU新著作権指令】 「リンク税」や「コンテンツフィルター」のエンフォースメントが取沙汰されているようですが、採算度外視で仕事の使命という観点で考えれば、報道や出版は、有用な情報を広く伝達するのがミッションであって、インターネットこそが最強のツールのはずなんだけれど。。。最近はとみに、インターネットの開発当初の理想について考えさせられつつ、オープンイノベーションとも絡み、「カスミを喰って生きていければなぁ…」と思ってしまいます(苦笑)。
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