高齢者法
企業文化比較は折々に触れて検討したいところではありますが、今日は法律のお話。
法律は山ほどあって、とても把握しきれるものではなさそうですが、先日、「高齢者法」というものがあるのを知りました。1つの法律ではなく、「情報法」のように、現実の事象を中心に、それにまつわる各種法を総称しています。「高齢者法」も、社会保障法、労働法、民事法、医事法、刑事法といった様々な領域で、高齢者にまつわる法的課題を、体系的・横断的に扱う法分野だとのこと。
義父母の晩年に関わった経験上、高齢者がさまざまな問題を抱えていることは痛感済み。お金の取り扱い、契約や手続き代理の問題、薬の問題、後期高齢者医療制度、介護保険の仕組み、役所での手続き、介護施設の問題、介護や治療の受け方、医療費負担の問題、男女の年金格差、痴呆や徘徊、寝たきりの人の尊厳、親族の心的疲労や後悔、延命治療の問題、財産管理や委任・後見、お墓の問題、遺言の問題、相続の問題、、、。思い出せばキリがないほど。
先日、義父が書き溜めた日誌を読んでいて驚きました。なんやかんやの手続きに付き添っている間は、物忘れがひどい様相で、「もう何もわかんなくなっちゃってなぁ…」なんて言っていた義父ですが、そんな彼が付けていた日々の日誌は、実に淡々として冷静で正確で、すべてのことをちゃんと分かっていたのが感じられ、驚かされたのです。一所懸命一日のことを思い出しながら書いていたのかもしれませんが、少なくとも、しっかりとした一個の大人の追想なのです。なんとも身につまされたのは、ひとり、またひとりと、大切な身内や友人知人の数が減っていき、寂しさが募ること。きっと、心細さが日に日に降り積もり、頼りなげな老人を演じていたのかもしれません。
高齢者をめぐる法的課題を洗い出すのと同時に、高齢者の孤独感や心細さというものを和らげるすべを、考えないといけないんだろうなぁ…と、しんみり感じています。
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