JST-NSF-DATAIA:「IoTが切り拓く未来」
先日、京都で催された「JST-NSF国際連携シンポジウム IoTが切り拓く未来」という講演会を聴いてきました。去年の夏の弾丸旅行に引き続きの、関西日帰り往復(苦笑)。
最も驚いたのは、理系の話を聴きに行ったつもりが、かなりの部分、倫理とかプライバシーとか、法的な問題など、学際的な取り組みが必要だと関係者の皆さんが思っておられたこと。夫が先日参加していた物理学会でも、素粒子部門や核理論部門など複数部門を横断して、機械学習や大規模コンピューティングについての研究会が立ち上がったようで、科学の領域だけでも学際的になってきており、本当に近頃は、1つの専門では収まり切れない協創関係が不可欠になりつつある感じ――。
以下、箇条書きで自分用メモ。
・AIでの画像認識はだいぶ進歩しているが、例えば津波で流されている車の写真を判定させると、「パーキングに車が止まっている」と認識するように、日頃遭遇し難い絵面は、そもそも学習されていないため判定が難しい
・Tesla事故、Uber事故、MSチャットボット1日crush
・SINETの100G回線:欧米間にもグローバルネットワーク
・アメリカにおける「量子イニシアチブ法」
・Narrow vs. General:いずれは意味を理解する汎用AI が登場
・クラウドのアクセス・プログラム:with Google,MS,amazon:6000万ドル規模のフロンティアDB
・機械学習には透明性、信頼性、堅牢性が重要
・Biopsy:シャーロック、サイバースキャン:個別化医療
・農業Big Data:データ通信がボトルネック、Sola Cube、X:PLOT、PHIS
・漁船IoT:海の天気予報精度の上昇
・Brain Computer Interface:ニューロンの活動を1つ1つモニタリング
・侵襲的な脳信号の分析:てんかん発作の脳信号モニタリング
・メンタル状態センシング:心理的バイアスがかかる
・細胞内スケールのシステムの実態計測:Bio Ontology→遺伝子のOntologyへ
・ELSI:Ethical、Legal、& Social Issue
・Draft AI Utilization Principle
・プライバシーの問題:siri、Alexa
・IoTにつき、そもそも人間もThingsのひとつ
・相互運用性とプライバシーはトレードオフ
・今後日本が生み出せるキラーアプリは、長寿研究ではないか
・Cyber Physical Systems:IoTを超えて何をしたいのか?
・IoTは話題先行で、まだまだ研究や問題解決とのギャップが大きい
・IoTの世界においてプライバシーとは何なのかを検討すべき
・Mirror World、Java Ring
・5つの脅威〔Botnet、The Hackable、TREND NET、Jeep Hack、Aircraft Hack〕
プライバシーの問題において、法律は各国で違い、データの所有権も各国異なり、ケンブリッジ・アナリティカの事件も、国によって判断は分かれる
↓
テクノロジーの研究者としては、どのような研究をすればいいのか…?
デバイスがスマート化できるからといって、そうなるべきかはわからない。
いろいろな人の貢献が必要。
最後のパネルディスカッションでは、こんな雰囲気で閉会となりました。科学に国境はないはずだけれど、技術の実用化には国ごとの制度がネックになり、インフラやセキュリティの強度なども問題になり、一筋縄ではいかないようです。
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