剽窃・不正チェックと、EU新著作権指令
著作物や研究の新規性について考えるとき、中山信弘先生が以前おっしゃったと聞く「人はそもそも“マネぶ”ものだ」という言葉や、翻案と独創の境目について、考えてしまいます。
デジタル化が進み、データベースが充実するより以前、きっと今以上に剽窃的なものは多かったのかもしれません。ただ、昨今は英語論文はデータベース化され、ネットの普及で一般の人でも剽窃や流用に気付きやすくなり、あからさまなものはかなりの確率で検知されるようになっているようです。「iThenticate」等々の剽窃発見サービスも増えてきたようで。
とはいえ、日本語の書籍については、まだまだ電子化されていないものが多く、こうしたものからの流用には気付きにくいのが現実。どんな勉強家でも、世の中に存在するあらゆる書籍を記憶するなんてことはできないし(ハガレンのシェスカみたいな人がいればなぁ!)、Google Booksで日本語の書籍がどのくらいまで蓄積されているのかもわからず。。。国会図書館で、日本語文献の剽窃チェックサービスなんてものを始めてくれるような構想はないのかしらん…。将来的には、文献はすべてDBに登録し、その登録時に、先行作品と何%以上共通だったらアップロードできない、というような仕組みになればなぁ…と思います。
自分が発する言葉や、書く文章が、どの程度自分由来なのか意識できないこともあり(どこかで見聞きしたものをちょっと言い換えただけの場合も自分由来と考えていいのか…)、剽窃問題は著作権の根源的な問題のようでもありますが、まぁ、デッドコピーとか、データの改竄は問題外なので、これらの検知技術は、もっともっと精度・確度を上げて提供されることが望まれます。
【EU新著作権指令】 一方、プラットフォーマーが、ユーザーの不正アップロードに関して責任を問われることとなるEUの新著作権指令が、正式に承認されました。きっちりと順守するためには、世界中の全著作物のデジタル・アーカイブが必要に思えてしまいますが、我が青春のPaul McCartneyはじめ多くのアーティストは、新著作権指令に賛意を示しているようですね。。。やっぱり、世界共有の著作物に関するデータセンターを作るしかないんじゃ…(フランスのノートルダム大聖堂の火災というショッキングなニュースがありましたが、その建築データが保管されているというニュースに感動しました!)?
【インターネット上の海賊版】 また、総務省では「インターネット上の海賊版サイトへのアクセス抑止方策に関する検討会」開催。「アップロード抑止方策」は文科省??
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