5GとSDGs
先週は、1週間のうちに2度も、村井純氏のお話しを聴く機会に恵まれました。月曜日のセミナーと、土曜日の某学会のフォーラムにて。尊敬すべきインターネット空間の環境保護活動家は数多くいらっしゃいますが、村井先生もそのうちの代表的な一人。日本がインターネットにつながって約四半世紀のこのタイミングで、村井先生のお話しを聴けるというのも、なんだか運命的。WIREDのインタビューで、「各国政府すらネットの中ではステークホルダーの1つに過ぎない」とおっしゃっているのが印象的です。地球上のあらゆるリソースを、無駄遣いすることなく配置して、地上のみんなでうまくシェアして利用していく…まったくもって、現実世界の環境保護と、やってることはおんなじ。属地性が薄い分、インターネットの中の方が、やりようによっては現実世界より早く、理想に近づけそうに思うのだけれど、昨今の各国規制は、この動きに逆行しているようにも感じられ、、、。
フォーラムでご紹介いただいた、中国や韓国や欧米の5Gへの取り組みの進捗報告も大変勉強になりましたが、興味深かったのは、村井先生がスピーチの最後に紹介された、G20でのラガルドIMF専務理事の言葉。ニュアンスとしては、「女性の経済的地位の確立という観点でも、仮想通貨には可能性がある」というようなお話しをされたのだとか(そのような発言の痕跡を、ネットからは見つけられなかったのですが、、)。
また、北欧と日本での「トラスト」という言葉の意味合いの違い(北欧には、すべての国民の所得がOPENになる日があったり、カーテンを閉めていると中で不正が行われていると見られるためカーテンを開け放って暮らす、など、信頼獲得のためにできるだけオープンに生活するとのこと)の話も面白く聴きました。
さらに、5Gでは「共創」が1つのキーワードになるようですが、日本含め多くの国が、技術革新が目的化して使い方が二の次になる傾向が強いのに対し、北欧諸国は、まず社会の課題解決があり、その解決のために技術革新を促す――という姿勢の違いを指摘されていた三友先生という方のお話しのインパクトが強かったです。
一方、気になったのは以下の2つ。
・近い将来、日本全国の信号機に5G用のアンテナが設置されるらしいのですが、信号機より街灯にした方が均一性は高そうな気が…
・インターネットのために敷設され古くなった海底ケーブルの後始末とか、アメリカ企業が今後打ち上げる数千機もの低軌道衛星のデブリ化の心配はないのか…(宇宙活動法の許可基準に、一応「デブリ防止等措置」があるらしい…)(原発にせよプラスチックにせよ、利用後のごみ処理の心積もり抜きに技術開発が行われていないか…というSDGsの観点)
・数千機もの低軌道衛星が周回しても、天体観測に支障はないのか…
まぁ例によって、素人考えで思いついたことだけ自分用メモ。
【EU中央銀行総裁】 昨日、ラガルド女史がヨーロッパ中央銀行総裁に指名されたとのこと。
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