パブリック・ドメイン・アプローチ
知らない道を歩くのが好き。
野山のトレッキングが好き。
険しい登山も嫌いじゃない。
これらはみんな、パブリック・スペースがあるから出来ること。
おいしいワインの原料になるブドウ畑は大事にしたい。
美味なチーズは密やかに熟成してほしい。
藝術的なワインは、職人技の大振りで端正なグラスでいただきたい。
これらはみんな、クリエイティブな創造者がいるから出来ること。
今月の「Patent」に、田村善之先生の「特許法における創作物アプローチとパブリック・ドメイン・アプローチの相剋」という論考がありました。パブリック・ドメインの意義に光を当て、新規性喪失の判断時、進歩性(非容易推考性)欠如の判断時、先使用権の成立判断時の3つの場合に分けて、銅張積層体事件、シュープレス用ベルト事件、ピタバスタチン事件を具体例にして、二つのアプロ―チのバランスを探る指針を与えてくださっていました。いずれの場面においても、ケースバイケースの判断にならざるをえないと感じつつ、私のバランスはどうも、パブリック・ドメイン・アプローチ側に偏ってるな…というのが正直な感想。田舎のネズミと都会のネズミに喩えるのもおかしな話だけれど、田舎のネズミが畑の作物でなく、野生の果実などを食べてるのなら、私には断然、田舎のネズミの暮らしが性に合ってる。
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