お金ってなんだ?
仮想通貨の財産的価値について、東京地判平成27・8・5で、“ビットコインは所有権の客体とはなりえない”として、顧客による破産管財人からの取戻権が否定されるという判決が過去にありました。仮想通貨以前の、ポイントサービス等の財産的価値についてツラツラ考えていて、そもそも“お金”ってなんだ?という素朴な疑問がフツフツ。。。
一般的に、お金(貨幣、現金)は民法上の動産(物)だと言われます(しかも、占有=所有権という特殊な存在)が、概念的な価値交換という意味では、お金ってかなりバーチャルな存在なんじゃなかろうか・・・と思うようになりました。すごく相対的な価値しか体現し得ないあやふやな存在ではないかと。。。
“価値の交換”っていう概念を、わかりやすく“貨幣”という有体物に乗っけていた時代と、“知識の交流”を、“書籍”という有体物に乗っけていた時代が遠のく今――。インターネットが出来て、本来の“知識の交流・流通”に出版社や取次がなくてもいいものになっているのと同様、セキュリティを度外視すれば、銀行とか専用線も本来的には不要になってきた…という感覚。
先日のニュースで、中国・四国地方への雑誌の遅配が進んでいる、と知りました。運送業の働き方改革で、東京からの運送時間が従来の倍ほどになった関係で、雑誌の発売日翌日に届いていたものが、2日遅れになってしまっているのだとか。以前特許事務所に勤めていた頃、海外送金の手数料のバカにならなさや、為替変動の不条理な影響にも驚きましたが、物品やお金の流通にかかる費用や労力が、ネットを利用することで省力化されることは確か。情報や価値の流通が、ネットワークを介す方が便利だと捉えられる今、流通業のビジネスモデルは、ゼロから考え直す必要があるのかもしれません。
ともあれ、お金って何なんだ~?
【『特許判例百選 第5版』 】 いつの間にか、第5版が出ていました。以前は、お名前を知る学者先生も、お世話になったことのある弁護士さんも、ほとんどいなかったのに、今回の執筆者のお名前をざ~っと拝見したら、27人もお世話になったり論文を拝読したりした方がいました。たった1年の学生生活でも、ずいぶんと世界が広がるもんだなぁ~。
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