いろんな自由化
先日、在宅勤務で家で仕事をしていたら、ちょうど生協の日で、ずぅ~っと置き配してもらっていた荷物を、その日は直接受け取ることができました。玄関を開けると、見たことのない顔。いつの間にか担当が変わっていたそうで、初めての顔合わせ。「いつもありがとうございます~」とお礼を言って、その日の荷物を受け取り、「じゃぁ、また来週もよろしくお願いします」と挨拶して家に引っ込もうとしたら、新担当のお兄さんが言いました。
「あの~、はじめましてのところ恐縮なんですが、電気の切り替えとか、お考えじゃないですか?」――
あ~、いつもの営業だ~。生協さんも、環境にやさしい電気というのの販売を始めていて、前にも勧められたことがありました。確か2016年あたりに、電気の小売・送電が完全自由化され、いろいろな会社が参入しているとともに、一般電気事業者もスマートメーターの設置を進めるなど、サービスの分散化・デジタル化が進んでいます。
通信の自由化というのも、業界の人にとってはすごくドラスティックな事件だったのでしょうが、電力の自由化も、大変なことだと思われます。電気通信事業法、電気事業法というもので、昔ながらの事業者さんは規制に縛られたり守られたりしてきたところ、急にいろいろなライバルが登場するのだから、その環境変化は会社の存続すら左右する大事件。とはいえ、壮大なサービスを軌道に乗せるのは、一朝一夕に出来ることでもなく、自由化を進めて競争を促したい政府としては、様々な経過措置を取ったりして、新規参入者をフォローします(この経過措置は永遠に続くわけじゃないってことも要注意)。奇しくも、台風15号の影響で、千葉の停電や通信不通状況の報道があったばかりですが、ユニバーサルサービスの使命の重さを痛感させられました。都心のこんな近くですらこの状況なのだから、日本全国津々浦々に電力や通信網をきちんと整備することの大変さを、もっと共有すべきでしょうねぇ。
電力と通信の業界の趨勢が、すごく似通っていておもしろいな~、と思いつつ、エネルギーの、減衰するという致命的な特質をいかに減らすかは、技術的に大きな課題。政策の模索もさることながら、技術の方にも頑張ってもらいたいものです!
で、最近考えさせられるのは、公共的な色彩の強いサービスに関して、自由化や公正な競争を促すばかりが、消費者にとって良いことなのか?ってこと。むしろ、良質なサービスをする数事業者に全面的に委ね、不当な収益を上げずに適正価格を維持するように規制する方が良い場合もあるんじゃないか?と。非常識な考え方なのかもしれませんが、1 world-1 service の方が、無駄は少ないような気がしちゃうんですよね~^^;;;。独占状態になると適正な行動が取れず、怠惰で貪欲になるっていう前提は、人間のサガを突かれているようで、なんだかなぁ…と思ってしまいます。
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