THE CIRCLE
先日、会社で話題にのぼった映画「THE CIRCLE」を、amazon primeで視聴。昨日ブログに書いた「365日のシンプルライフ」とは対極の映画。
主演は、ハリー・ポッターで完璧主義の優等生ハーマイオニーを演じたエマ・ワトソン。今回のメイ役にピッタリだった気がします。
ストーリーの概要はこちら。
まず、この映画が2017年公開というのがスゴイ! 原作は2013年というから尚スゴイ!! 明らかに今をときめくGAFAを思わせるプラットフォーム企業が舞台で、SeeChangeというサービスにより、目玉のようなビーズ・カメラをあらゆる所に設置してユーザーをモニタリングし、スムージーのような“飲むセンサー”で体調管理、骨にチップを埋め込み子どもを監視・保護。すでにドローンはブンブン飛んでるし、AIによる解析の速さも凄まじい。クラウド用のデータセンターも地下鉄用地だった広大な空間。裏取引やロビイングを排除し、税金を使って議員が何をしているのかを完全にオープンにし、民主主義の極み(Tru YouというプラットフォームによるTru Democracy)を実現しようという理念。“Secrets are Lies"(秘密はウソ)として、プライバシーをさらけ出させる試みも。「独禁法で、このプラットフォーム企業The CIRCLEを潰そうとする議員がいる」という状況も妙にリアル。
掲げられた理念の一部には、共感せざるをえない面もあるものの、ユーザーのプライバシーを好き放題把握・利用して、すべてを牛耳ろうとする企業のTOPベイリーとトムは、自分たちのプライバシーを秘密にーーー。映画の最後は、主役のメイと、このプラットフォームを作った技術者タイとが、ベイリーとトムの秘密の会話やメールもすべてオープンにして終わるのですが、、、。
いやはやもぅ、今まさに、世界中の人が、この先の自分たちの世界をどうしていきたいのか、その方向性を左右する選択に迫られる中、観るべき映画じゃないかと感じました。「プライバシーは大事だから、こんな企業は解体してしまえ」と言うだけでは済まない、本質的な問題をはらんでいると思えます。どんなプライバシーは守られ、どんなプライバシーはオープンに共有すべきなのか、、、。
まぁ、最近の私は、エネルギーをふんだんに使って便利と安全を追い求めるより、結局のところ“人間教育が大事”ってところに回帰気味ではあるんですけどね~^^;;;;。是非ご覧になって、感想を訊かせて欲しいです!
【GAFA:Garvege collector&Profiler?】
・Face to faceの直接対話の時代→盗み聞きでもされなければ通信の秘密は保たれた
(公然と会話すれば、そもそも秘密でもなんでもない)
・電話交換手や郵便配達の時代→通信を担う者には守秘義務が課され、形式上は秘密は担保された
(通信履歴や手紙がゴミとして捨てられた時、それを拾う者がいたとしたら、誰と誰の間にどんなコミュニケーションがあるかはわかる)
・インターネットの時代→通信を担う者には守秘義務が課され、形式上は秘密は担保されるはず
(IPアドレスや検索・購買履歴、投稿内容等の断片的なゴミのような情報も、寄せ集めれば誰が誰と関連し、どんな嗜好かがわかる)
結局、情報のゴミ集めと分析が自動化されたことで、その利活用が強大な力となっているわけだけれど、一昔前の時代感に照らすと、お行儀のいいものではないような気がしてきます。
【amazonプライム無料?!】ところで、本作は初めて私がamazonプライムで視聴した映画なのですが、こんなサービスが始まるらしい?!!
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