歴史は作られる
昨年、叔父(父の弟)がなくなったことで、(未婚だった叔父に関し)父や伯母がその整理に奔走していますが、役所の窓口で、「えっ?! 奥さんや子どもは?」と訊かれるのだとか。今どき、未婚の人なんて山ほどいるでしょうに、、、?? その中で、驚いたことがありました。
家族の系譜は、それぞれの家庭で部分的にでも口承されているものだと思います。私も、父の父の出自等について、「一人っ子だった」とか「浅草出身だった」とか「出兵の際に親が養子を取った」とか、様々なことを伝え聴いていたのですが、数世代前までの戸籍を取ったりして調べたところ、かなりの言い伝えが、事実として確認できなかったというのです(父方の先祖の誰かが偽りの話をしたのでしょうが、なぜ?!)。
この話を聴いて、「ああ、“歴史は作られるもの”だというのは、本当なんだなぁ…」と、つくづく感じました。こんな些細な家族の歴史すら、かなりいい加減なものだなんて…。まぁ、世の偉人にまつわる歴史は、むしろたくさんの人たちの検証を経ている分、少しは正確なものなのかもしれませんが。。。
自分に都合のいいように自分史を書いておけば、数世代後の子孫には、それが歴史として認識されてしまうというのは、ちょっと恐ろしいことですね。これを経歴詐称と言うのでしょうが、考えたことや思ったことなど、事実として検証しようのないような事々は、後からでも変更可能という点で、“今”を正確に見聞きして“正確に”記録するということの大切さを痛感します。今は、ネットで調べたことをすぐに鵜呑みにしてしまう傾向が高まっているでしょうから、尚更、自分の目でみて自分の頭で確認する必要性を感じます。その点、偽りのないデータのアーカイヴの重要性はとても高く、古代から続く天文学者の無私の記録って、素晴らしいなぁ~と感じます。。。(公文書も、かくあって欲しいものです)。
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