ジェントルとラブラバ
コミックスもアニメも、両方ともフォローしている「僕のヒーローアカデミア」。普段は、忙しさに紛れて、あまり本腰を入れずに、ストーリーをサラリと追うノリで観ているのですが。。。
先週・先々週で主に出て来た、ヒーローたちの敵役のジェントル・クリミナルという自称 義賊の男性と、ラブラバというパートナーの女の子。この二人が憎めないキャラで、つい面白がってしっかり見ていたらーーー。(ここから先は、本作に触れていない方には、何のこっちゃ?だと思いますので、読み飛ばしてくださいませ)
二人の回想シーンで、なぜ二人が、世の中に背を向けてコソ泥のようなことをするようになり、パートナーになったのかの経緯が、短い時間で紹介されたのですが、、、ここで初めて、「真のヒーローアカデミア」を考えさせられた思いがしました。
ラブラバという女の子は、初恋の人に膨大なラブレターを書いたところ、それを受け取った相手は、その手紙に真摯に向き合うことなく、他の友人達に気味悪そうに話して皆で嘲笑。。。そのことに傷つき、学校に行けなくなってしまいました。
ジェントル・クリミナルという男性は、高校生の頃、成績が悪いにもかかわらずヒーローに憧れていました。ある時、落下事故の場に居合わせたことから、人助けするつもりでそこに介入したところ、あいにく逆に、助けに駆け付けたヒーローの活動を妨害する形になってしまい、落下事故で怪我人を出すことになってしまいました。その事件をきっかけに、ジェントルは世間から叩かれ、学校も退学することになってしまうのですが、それでもなんとかひっそりと世の中の片隅で真面目に生きていたものの、やがて同級生からも忘れ去られ、失意の底にーーー。
あの時、ラブレターを受け取った男の子が、しっかり向き合ってくれていたら、、、
あの時、事故現場なんかに居合わせなければ、、、
あの時、ヒーローを妨害する形にならなければ、、、
あの時、皆がみな、彼をつまはじきにしなければ、、、
あの時、誰かひとりでも、彼に寄り添ってあげていれば、、、
あの時、せめて両親が、彼の味方になってあげていれば、、、
あの時、同級生がジェントルのことを覚えていてくれたら、、、
過去を「たら・れば」で振り返っても、何も解決はしないものの、世の中の些細な無情が、いかに人の心を傷つけ、道を見失わせることになるかが、痛いほど感じられました。デリケートな心は、生まれたときからいろいろなことでかすり傷を重ね、たいてい大人になる頃は、カサブタだらけで慣れっこになってしまうものですが、運悪く決定的に傷ついてしまうことがある。。。
だからこそ、誰しもが、名もなきヒーローを目指さないといけないんだろうなぁ。。。
ヒロアカの大きな魅力のひとつは、登場人物一人ひとりのバックグラウンドが丁寧に描かれているところですねぇ~。
(昨日の某判決にも、いろいろ思うところがありますが、義父母の老後を見続けた末の私は今、自分自身の未来について考えない日はありません。)
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