種苗法改正による農家の自家採種禁止
忘れもしない、2018年6月の大学院での講義で、種子に関する特許権の消尽について検討した記憶。いわゆるモンサント事件の趣旨につき、いまだに納得できていない私ーーー。日本の優良品種の海外への持ち出しのような行為には怒りを覚える半面、(遺伝子レベルの操作を加えて)害虫対策された種苗が広く育成されることは農家にとっては必要なことに思え、自家採種を禁じるのは行きすぎに感じることも。種苗法の改正状況と知財権による過保護の程度は、まさにバランスの難しい問題だと感じます。
個人的に、知財権によって将来的な開発費を捻出するための利益を得ることは正当な行為だと思っているのですが、時折、保護が過ぎるようにも思え、混乱してしまいます。
【ネモフィラの丘】 少し前、ひたち海浜公園のネモフィラが満開とのニュース。種苗等の新品種開発等、どこまでヒトがコントロールすべきかなんて、美しい景色を眺めていると、忘れてしまいますけどね~。(一方、佐倉市のチューリップが大量に伐採されたとの報道を見掛け、哀しい想いも…)
【後日譚】 2020年5月20日、検察庁法改正案に続き、種苗法改正案も、今国会への提出見送りとのニュース。検察庁法は、公務員の定年引上げと抱き合わせ、種苗法も海外持ち出し禁止と抱き合わせ。なんだか、「こっちは通してやるから、あっちは通せ」と、交換条件を突き付けられている気がして、なんだかなぁ…と思うのは私だけ??
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