『うちの子が結婚しないので』
先の日曜昼に、本書を購入して読み始めたのですが、あまりに切実で、小説というよりは人生相談本のようなテイストだったため、その日のうちにあっという間に読破^^;;。
本書は、28歳になっても結婚しない娘の先々を心配した親が、ついに親婚活というものを始め、30歳を目前にパートナーを決めるまでのお話。こう書くと、別段焦る歳でもないし、単なる“親婚活”という珍しげなイベントのルポ風小説かな?と思われるかもしれませんが、この一家を取り巻く様々な人達の人生模様がイロイロで、結婚・夫婦・家事・仕事について、リアルに考えさせられてしまいました。生涯独身や離婚というものも、ごくありふれたものになっている昨今、男女の結婚観の違いなども気になったし、娘さんをもつ親御さんの気持ち、息子をどう育てるべきかという問題など、興味津々で読み進めました。個人的には、夫婦間の稼ぎの違いによる家事分担の平等性についても検討して欲しかったな、と思いつつ、家柄のいい家に嫁いだ娘が実家を蔑むようになった話とか、過酷な家庭環境で育った女性が、ただ生き抜くために結婚を利用する話とか、どんなに裕福でも男尊女卑な関係に嫌気が差して離婚する話とか、子どもが出来た途端外遊びを始める男性の話とか、妙に切実で、ありそうな話がゾロゾロ。
息子には、とにかく炊事・洗濯・ゴミ出しという、生きる上での最低限の家事は、パートナーとフィフティ・フィフティで分担できるようになって欲しい…と思っているのですがーーー。成人した今でも、炊事・洗濯・ゴミ出しは親任せ(泣)。一人暮らしの欲求もまったくないようで、自律の道は遠い…と思わざるを得ません。パートナーの仕事や人格を真に尊重できる相手に巡り合ったら、自然とフィフティ・フィフティへの努力をするようになるものなのでしょうか…? “子どもの幸せを願う”というのは、普通の親なら当たり前のことでしょうが、“何が幸せか”については、捉え方が人それぞれで、特に「女性の幸せ」の形は難しい。。。もちろん「男性の幸せ」の形だって様々で難しいのでしょうが、子どもを産む仕事が女性の専権業務になっている時点で、その業務に従事するか否かが、ライフプランに大きく影響することは否めません。息子が、ある日突然、パートナーになる人を連れて来るのは楽しみですが、その人やそのご一家との付き合い方も、それはそれで悩みの種になるのかしらん…^^;;。
本書の著者の本は、これまで読んだことがありませんでしたが、私と同年代で、高齢化や介護・住宅の老朽化等に関する小説も書かれており、同世代の女性の視点という点で、問題意識を共有する部分が多そうです。うちの夫は、親婚活なんて毛頭する気はなさそうですが、本書の主人公の娘が、親婚活してくれた両親に感謝している様に触れ、場合によってはそういうのもアリなんじゃ…と思うようになりました(笑)。
【今夜ロマンス劇場で】 本書を読んだ後、録画してあった「今夜ロマンス劇場で」を観賞。打算や計算抜きの、文句なしの純粋なラブ・ロマンス。ラストシーン、夫と二人で号泣しながら見たのですが、視聴後、ティッシュで涙と鼻水を拭いながら、夫が一言。「綾瀬はるかだから成立した映画だね」―――。ズガビ~ン(笑)、おっしゃる通り。すっかり現実感にまみれた夫婦には、眩しすぎる映画でしたが、生涯通して純粋な恋心を貫けるようなパートナーに出逢えるのは、果たして奇跡なのか、心の持ち様なのか。。。私としては、素敵なストーリーに感動したというよりは、加藤剛さんの病床での演技の素晴らしさに、すっかり泣かされたのでした。主人公の最期の“しりとり”のお題が、「きれいなもの」だったのも、素敵でしたぁ~。
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