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2020年5月 2日 (土)

『ネンドノオンド』

20200424_1  ETV視聴をきっかけに知った、プロダクト・デザイナーの佐藤オオキさんの表題書籍を、過日読了。世界中の著名なデザイナーの方々と会い、雑談混じりにインタビューを重ねた誌上対談をまとめたもの。ICレコーダー抜きで対談相手の懐に飛び込んで個性を引き出し、自らの学びの糧ともしてしまう構成に唸りました。こういう本を読んだ後は、「あ~、本って安いよな~」と感動します。いつものように、素敵な言葉に付箋を貼っていったら、結構な数になってしまいました。
 デザインとは無縁の暮らしの私ですが、有名デザイナーの言葉には、クリエイティブなどんな仕事にも通ずる真理が垣間見えます。「結局は人の意識を変えることがクリエイションであって、カタチじゃないの」「すべてのアイデアは日常からいただく。日常を観察することが大事なんだよ。この目でね」「イタリア語には“プロジェッティスタ”と呼ばれる職業があって、少し先の未来を見据えてプロジェクトを実現する人のことをこう呼ぶの」「読書をしたり文章を書いてる時間の方が長いかな。創作において“文字”はすごく重要だからね」ーーー
 インタビューは以下の17デザイナーを巡って行われました。
1. Barber & Osgerby
2. Luca Nichetto
3. Michele De Lucchi
4. Ronan & Erwan Bouroullec
5. Tom Dixson
6. Patricia Urquiola
7. Philippe Starck
8. Jean-Marie Massaud
9. Kengo Kuma
10.Alfredo Haberli
11.Konstantin Grcic
12.Marcel Wanders
13.Jasper Morrison
14.Thomas Heatherwick
15.Ron Arad
16.Claesson Koivisto Rune
17.Alessandro Mendini
 7番目のスタルクさんは、浅草のキントウン「スーパードライホール」を設計した人だし、9番目の隈さんは、新国立競技場「杜のスタジアム」を設計した人。他の方々のデザインも、きっとどこかで目にしているはず。それにつけても、こうしたお歴々が皆、「nendo」を当然のように知っていることが、なんだか誇らしかった~♪ 日本のデザイナーさんが世界で通用してるってことは、日本発の意識改革も夢じゃないってことだもんね^0^!

【本のノド】 上記の3番目に登場するミケーレさんという方が、手帳の紙を綴じる「のど」が嫌いで、スケッチもスケジュールも、冊子の「のど」を気にせず見開きで描くとおっしゃっていました。エディトリアル・デザインという点で、私も「のど」の存在はやや疎ましく感じることが多く、本書も、ペーパーバックサイズで横書きで組版されているのだけれど、見開きのページで、何度も「のど」ギリギリの部分の文字を読まなければならないのが、ちょっと苦労しました。縦書きの日本語って、見開きのうち、真ん中の2行くらいを苦労して読めば、あとはスルっと読み進められるので、紙の書籍向きの文字だよなぁ~…としみじみしてしまいました(笑)。

【connel coffee】去年、あるカンファレンスに参加した折に立ち寄り、その雰囲気に痛く感動した草月会館内のカフェ“connel coffee”。偶然にも、このカフェの床と家具のデザインが、nendoさんのものでした! 感動~♪

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