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2020年7月 9日 (木)

映画「奇蹟がくれた数式」(The man who knew infinity)

 先週、インドの数学者ラマヌジャンの史実に基づく映画奇蹟がくれた数式」をNetflixで鑑賞。
 数学をチラリとでも齧った人なら、ラマヌジャンの名を知らない人はいないでしょうが、恥ずかしながらその功績はあまりきちんと把握しておらず。。。ただ、“ひらめきの天才”といったイメージで神々しく仰ぐのみ^^;;。
 なんといっても、誰からも顧みられなかった彼の才能を、1通の手紙から見出した、ケンブリッジ・トリニティカレッジのハーディ教授が素敵でした。人生を数学だけに捧げ、無神論を声高に主張するような不器用さもありながら、ラマヌジャンの才能を純粋に認め、周囲にも認めさせていく姿が印象的でした(生涯の相棒のリトルウッドもナイスガイだった~♪)。
 純粋数学に没頭するような人たちでも、人種差別的なふるまいや考え方をしてしまう。。。21世紀の今ですら差別意識はそこここに見られるのだから、20世紀初頭のあの時代には仕方のないことだったのでしょう。。。とはいえ、過酷な5年間のイギリス暮らしで結核を患い、弱冠32歳の若さで亡くなってしまったことは、ものすごい損失だったと思われます。
 そしてまた、彼の妻ジャナキさんは、イギリスからの手紙を待ちながら、ひたすらお姑さんとの暮らしに明け暮れて5年間。。。彼の早逝後もしきたりを守って再婚しなかったとのこと。短い人生だったものの、このような奥様やハーディ氏、リトルウッド氏との出会いに恵まれて、天のご加護に守られていたんだなぁ…と、信心深い彼の人生を想いました。折に触れてヒンドゥーの神に祈りを捧げる敬虔なインド人のラマヌジャンと、いつもパイプを燻らせ自由に考えたいことに没頭する無神論者の英国人・ハーディーが、数学という芸術を媒介にして交流した。。。ある意味奇蹟の人間関係ですね。
(留学生は、いつの世も様々な苦難を余儀なくされますが、新型コロナ禍の苦難はいかばかりか…)

20200701_3 【息子の読書】 自分の直観を優先させ、人を納得させるための証明法をきちんと学ぼうとしなかったラマヌジャン。彼を大学図書館に連れて行き、「読むべき本はまだまだあるぞ」と叱咤していたハーディ教授。一方、ここ数週間の息子は、ラノベ三昧。500頁前後の本を1,2日で読んでしまう集中力には、ラノベといえども脱帽です^^;;。

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