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2020年7月 4日 (土)

「パラサイト 半地下の家族」

 先月、amazon primeで、第92回アカデミー賞作品賞等4部門受賞作「パラサイト 半地下の家族」を観賞。以下、ネタバレありですので、鑑賞予定の方はパスしてください。

 

 

 前半こそ、コミカルな詐欺模様でしたが、後半はズンズンとシリアスになって、社会の階層を如実に見せつけられ、終幕頃はもう、悲惨なまでの転落劇に背筋が凍りました。少し前に「愛の不時着」(韓流ドラマ)で、韓国の裕福な実業家一家ばかり見ていたせいで麻痺していましたが、いずこにも、貧富の差は歴然としてありーーー。(本作で貧しい家族の母親役を演じていた女優さんは、「愛の不時着」では彼の国でデパート経営をする富裕層の女性を演じていました!) 半地下にとどまらず、隠れ地下室もある…という表現は、社会からは見えないほどの(隠されているのか隠れているのか…)悲劇すらあることを象徴するようで、正直、ここまでの悲惨さは“見たくない”という思いを抱いてしまうかも。。。(共産主義国でのつましい暮らしと、資本主義国での沈下しきった暮らしとでは、どちらがよりひもじく惨めなのか、、、)。
 最後の、半地下での回想直前、どん底まで落ち込んだ主人公の男性が、人生計画を立て直して立ち上がり、裕福になる・・・という仮想シーンが挿入されるのですが、思わず、作中でつぶやかれた「計画なんて立てるから、思い通りにいかないと落ち込むことになる。計画なんてするもんじゃない…」というニュアンスの言葉が蘇り、“夢みること”の残酷さを突き付けられた気がしました。
 計画通りに物事を進められないのが、自分の怠慢だけに起因するならまだしも、社会情勢や不運など、自分ではどうにもできない要因で計画をフイにされることがままある。。。本作では、何度か企業倒産の煽り…という話が出ていた気がするので、そうした遠因による転落だったのだろうと推察しながら見ました。このご時世に観ると、尚のこと考えさせられる、哀しい物語でした。
(先日観た「エジソンズ・ゲーム」では、エジソンと息子が可愛いおしゃべりにモールス信号を使っていましたが、本作では、隠れた地下からの“助けて”というモールスでの叫びが悲痛でした。。。誰も、好きで“鼻つまみ者”になっているわけではない…と認識して、人知れず発せられるそうした徴に、誰もが敏感でいられたらいいのだけれど。。。)
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20200702_120200702_220200702_3 【公園散歩】 気持ちが塞ぐような時こそ公園散歩! 時間さえあれば出来る最高の贅沢~♪

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