『面白ければなんでもあり』
先月、息子が表題の本を買ってきて読んでいました。読み終えてリビングに置きっぱなしになっていたのを拾い、私もチャッカリ拝読。間違いなくラノベ・シェアNo.1の電撃文庫編集部で、「SAO」や「とある」シリーズ等、いまをときめく数々の人気作を世に送り出し続けている編集者の方の本。『マクルーハン理論』というアカデミズム寄りのメディア論の本を飛ばし読みし終えた直後でしたが、リアルなメディアミックスを果敢に実践されている電撃文庫編集部の編集者の心意気に触れ、一気読みしました。
想定される読者層は、出版業界志望者とか、電撃文庫応募者、メディア関連業界志望者なのかもしれませんが、より広い仕事論として、大変面白く読ませていただきました。
かつて出版界のはしくれに在籍していた私ですが、十数年の業界仕事で約100冊しか書籍編集していないのに対し、著者の三木さんはなんと、14年半で500冊もの文庫を作った上、コミカライズやアニメ化などにも携わられており、物量だけを取ってもただただ脱帽しました。それに加え、数々のミリオンセラーを担当し、夢はハリウッドでの映画化というからもう、スケールが違う! 編集の仕事が楽しい!って気持ちにすごく共感しましたし、自分なりの仕事のルールを明確に言語化している所も、理系出身っぽさが出ていて読みやすかった!
いろんな個性的な作家をドラマチックに紹介しているという意味では、電撃文庫ファンが読むにも良さそう♪ 様々なアニメ監督の、雰囲気を統括する力について書かれたパートなども、興味深かったです。
本書に出てきた作品の中では、アニメ「とある科学の超電磁砲」が、私にとっては一番近しい作品ですが、このアニメがどういう経緯でできたのかが知れたことも嬉しかった! メディアミックスにおいては、“『家訓』の再定義が重要”、という言葉に、痛く納得しました。
どういういきさつで息子がこの本に興味を持ったのかは知りませんが、「いい本 選ぶじゃん!」と、内心ニコニコ(^^)♪ 企業秘密的なノウハウを惜しみなく出してくださった上、貴重な仕事論・人生論まで息子に贈ってくださった本書に、感謝!
【塚原あゆ子氏】 メディアの垣根をなくす…という意味でマイブームなのは、気鋭監督・塚原あゆ子氏。今後のご活躍も楽しみです♪
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