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2020年12月 1日 (火)

さすらいの操觚者

 先月、友人がFacebookでつぶやいていて知った言葉、「操觚」。操觚者というのは、「文筆に従事する人、著述家、記者、編集者など」を言うのだそう。古代中国で、木札に文字を書いて、詩や文章を作ったことに由来するようです。木版の元祖みたいなイメージ?
 詩にしても文章にしても、残念ながら天賦の才には恵まれませんでしたが、いかんせん、“書く”ことがどうにも好きでやめられない。父母も同様なのか、今も日々コツコツといろいろ書き物を続けている。。。
 そんなわけで、なんとか“書く”ことを仕事につなげられないかと模索するわけですが、新型コロナで自宅待機を余儀なくされた今春以降、半年ほどかけて、シナリオ・センターの通信添削講座を受講してみました。12本のごくごく短いシナリオ課題を提出し、プロの方に添削・コメントいただくことの繰り返し。外出自粛で映画やドラマを見まくる日々、どうせなら脚本のイロハを知った上で観てみたい…と思ったのと、脚本家の仕事について知りたいと思ったわけです。先日、晴れて修了証書が到着。単なるお作法的基礎を学んだだけなので、この先にはまだまだ本科・研修科・作家集団とカリキュラムが2年半ほど続くのですが、先に進むかどうかは検討中。
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 小説とはまったく異なり、視覚と枠を意識して世界を切り取るような作業は、さながらスケッチのようでした。「柱」「ト書き」「ツノ書き」「セリフ」でドラマを組み立てるのは、ビジュアルと構造が肝心で、結構アーキテクトちっく。それでいて、大切なのは見えない部分だから難しい。尚且つ、映像化の際はたくさんの人たちのセッションで動的に改変されていくのも当たり前。メンタル的になかなかハードなお仕事であることもわかりました。また、シナリオ・ライター以前にプロット・ライターなんていう仕事があることも知ったし、動画配信時代に、仕事のやり方も変化してきていることも感じました。憧れの脚本家の方も複数人出来て、息子までが近頃は、映画やドラマを観るたびに「コレの脚本家は誰それだったよ。アレと同じ人だよね」なんて言い出す始末(笑)。
 美文も精緻な文章も書けない私ですが、せめて、“さすらいの操觚者”として、思うままに放浪したいと思うのでした。

SWITCHインタビュー 達人達】 先日のETVの“達人達”で、編集者の鈴木敏夫さん津田海太郎さんの対談を拝聴。まさに生涯操觚者といった風情のお二人でした。

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