『白鳥とコウモリ』
かなりご無沙汰していた東野圭吾さん作品、『白鳥とコウモリ』を、一週間前に読了。(以下ネタバレ注意)
被害者遺族や加害者の家族の苦しみと納得感について、考えさせられる物語でした。また、犯人隠避の取り返しのつかなさや、SNS時代の誹謗中傷の恐ろしさを垣間見た感じ。。。そして、捜査したり弁護したり裁いたりする人たちというのは、どう頑張っても当事者意識は持ちづらく、代理人や第三者としてしか事件に関われないということも。。。それが高じて生じてしまう冤罪というのはつくづく悲劇で、だからこその「疑わしきは罰せず」なんだよなぁ…と、身に沁みました。
私は、五代と中町という刑事コンビが好きでしたが、美令という女性の考え方も好きでした。立場的には“コウモリ”となった彼女のラストの決断には少し驚きましたが、そこがまた“”白鳥”のようで良かったかも。
本書のカバーに掲載されている清洲橋は、物語の中では哀しい犯行現場になっていますが、実のところ、隅田川に掛かる数々の橋の中でも、格別優雅で気品があります。願わくば、最終的に逮捕された“彼”に、いつの日か精神的な救いがありますようにーーー。
(次は、『クララとお日さま』、行きま~す♪)
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