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2021年4月 8日 (木)

『国際法』

20210405  ミャンマーのクーデターに伴う国軍の、子どもにまで及ぶ暴力が、明らかに人道に反していることは疑うべくもありません。国連安保理は声明を出しつつも、強力な制裁に必要な全理事国の同意は得られなかった模様。。。
 こんな血も涙もない愚行をすぐさま止められない人間社会ってなんなんだ?!と思いつつ、『国際法』をようやく読了。

 現行国際法の源流は、1625年のグロティウスの『戦争と平和の法』にあると言われることが多いようですが、要するに、諸国が共にしたがうべき世界共通の規範を、明文で合意した各種条約や、「慣習国際法」といわれる不文法を、「国際法」と呼んでいるようです。国際司法裁判所なるものはありますが、別に、地球上の全人類が守るべき全世界共通の法律があるわけではなく、すべての国に妥当する強制管轄権があるわけでもなくーーー。悲しいかな、世の中は、国家というフィクションが演じる弱肉強食の世界で、辛うじて“戦争の違法化”を模索する良心に支えられて存続している危ういものである…と、認識せざるをえません。だからこそ、言葉を尽した誠実で論理的な“交渉力”を鍛えないといけないんだろうと感じました。
 欧米列強の価値観を端緒とした歴史的変遷があるとはいえ、現今の国際社会で最も尊重されるのは、国連憲章と言えるのでしょうか。。。2条4項の武力禁止原則を最重要規範としつつ、51条では“自衛権”の名のもとに、武力禁止の例外を消極的に認めており、“集団的自衛権”まで規定されている以上、実質的な戦争抑止にはなっていないのが現状にも見えます。
 これまでは、欧米の法中心主義的なリベラルな平和維持がなされてきたものの、21世紀になって、中国の超大国化や国家の枠を超えたテロリズムの台頭という変化を目の当たりにして、著者は「国際法にとって冬の時代」を予言しています。
 領土問題やら慰安婦問題やら拉致問題やら内戦やら虐殺やら、いまだにスムースな決着の見えない問題を多々抱える世界。。。著者の諦観と希望の交じり合った記述が、どこか矮小な“いじめ問題”にも通じる呟きのようで、人間社会の難しさはスケールの大小を問わず、“いつもそこにある危機”だな…と思うのでした。メディアへの外資侵食も、規制などものともせず広がっており、投資や情報流通に国境がなくなっている以上、国内法以上にシビアに考える必要がある規範なのかもしれません。

「国家は利己的だが、それは国家を構成する人間が利己的存在だからである。しかし人間は他人の運命を想い、それに共感する存在でもある。」(p.383より)

20210328_9 20210328_10  先日、杏仁霜を買ってきて、杏仁豆腐を作ってみました。ツルンとしてサッパリして、食後に最適~♪、と暢気にしている自分が、どこか非人道的に思えてしまうのが哀しい。。。
 また、ジョギング用にワークマン女子でスーツを購入したら、上下合わせても5千円でおつりがきて驚きつつ、タグには“Made in Myanmar”の文字が。。。

Google v. Olacle】5日、長々と続いていたアメリカの訴訟決着。この10年で、ソフトウェア開発のトレンドにもいろいろ変化があるのでしょうが、著作権の保護期間(日本だと、団体名義のものは公表後70年、アメリカだと、発行年から95年又は創作年から120年?!)との兼ね合いや、Javaの当初の汎用性を考えると、私には妥当な結論に思えました。Kotlinはライセンス料って取ってるのかな? 開発言語の問題も、一国の国内にとどまる問題じゃなくなっているから、司法判断の国際ハーモナイゼーションも必要になってくる気がします。(ソフトウェア業界の方々の考えを聞いてみたい!)

20210407 【次は…】次なる読書は、友人オススメの『次のテクノロジーで世界はどう変わるのか』と、軽く読めそうな『福岡伸一、西田哲学を読む』へ移行^^。『クララとお日さま』や『ルワンダ中央銀行総裁日記』や『The vanishing half 』や『内閣情報調査室』や『白鳥とコウモリ』も候補ですが、しばしお預け。。。

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